「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」とは?|職場のコミュニケーションを明るくする方法


「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」とは?|職場のコミュニケーションを明るくする方法

先週、小学2年生の娘の授業参観でとても興味深いテーマを扱っていました。

それは、「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」。

小学校の教室で教えられていたこの題材は、いじめ防止など学校生活をお互いに気持ちよく過ごすためのものですが、職場のコミュニケーションを気持ちよいものにするのも、根っこは同じだと感じました。職場のコミュニケーションを気持ちよくするヒントは、マネジメント研修やビジネス書だけでなく、小学校2年生の教室にもあったのです。

「ふわふわ言葉」「チクチク言葉」とは?

「ふわふわ言葉」「チクチク言葉」は、2015年には「ズームインサタデー」でも紹介されていたので、ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、まずはこれらがどんな言葉なのかをご紹介しましょう。

「ふわふわ言葉」とは、誰かに言われると嬉しく、聞いていて気持ちがよくなる言葉

「ありがとう」
「すごいね」
「上手だね」
「優しいね」

教室では、こんな言葉が「ふわふわ言葉」の例として挙げられていました。「ふわふわ言葉を言われると、どう感じるかな?」という先生の問いかけに

「元気になる」
「がんばろうと思える」

と子ども達は元気に答えていました。「ふわふわ言葉」は、気持ちがよくなるだけでなく、やる気や元気が出てくる言葉でもあるのです。

「チクチク言葉」とは、誰かに言われると嫌な気持ちになる言葉

「ばかじゃないの」
「汚い」
「あっちにいって」
「こんなこともできないの?」

そんな言葉が例として挙げられていましたが、これを言われると嫌な気持ちになるだけでなく、元気もやる気もなくなってしまう、と子ども達は感想を話し合いました。

そして「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」の違いを学んだ子ども達は、

「これからは、ふわふわ言葉をたくさん言うようにしたいです」
「チクチク言葉は使わないようにしたいです」

と授業のまとめを、微笑ましく発表していました。

【関連記事:部下とコミュニケーションをとるなら1on1面談が欠かせない!】
【シート付】1on1ミーティングで使える50のテーマ例を使ってネタ切れ解消!

職場でつい「ちくちく言葉」を使ってしまっていませんか

いかがでしょうか。

「ふわふわ言葉」と「チクチク言葉」は、小学校の教室だけでなく、人と人とのコミュニケーションすべてに共通すると思いませんか。

職場、家庭、プライベートetc、あらゆる場面で同じことがいえると思いますが、特に職場のコミュニケーションとなると、「ふわふわ言葉」は意外に意識をしないと使われないものです。
特に上司と部下の仕事上のコミュニケーションでは、つい「チクチク言葉」が出てしまう機会が多いのではないでしょうか。

「何でこんなこともできないの?」
「だから、お前はダメなんだ」
「どうしてこんな失敗ばかりするんだ」
「何度言えば、わかるんだ」
「どうせお前じゃ、無理だろうけど」

こんな台詞に心当たりはありませんか。

大人になったら、そんな優しいことばかりはいっていられない。
厳しくしないと成長しない。

それも一理ありますが、このようなチクチク言葉に、「嫌な気持ちになる」「元気がなくなる」「やる気がなくなる」と感じるのは、小学生だけでなく大人も同じ。「チクチク言葉」ばかりでは、職場も文字通り、チクチク、ギスギスしたものになってしまうでしょう。

「ふわふわ言葉」は職場のコミュニケーションも明るくする

一方、「ふわふわ言葉」は子ども達の気持ちも明るくしたように、大人の気持ちも明るくします。職場でのコミュニケーションでいうなら、

「ありがとう」
「さすが、○○さん」
「いつも丁寧ですね」
「いいアイデアだよ」
「よくできているよ」

こんな台詞が「ふわふわ言葉」になります。最近使った記憶はあるでしょうか。

仕事の場面では意識をしないとなかなか出てこないのが「ふわふわ言葉」ですが、この「ふわふわ言葉」を使うとお互いに気持ちよく過ごせ、信頼関係が築きやすくなります。「職場のコミュニケーションが味気ない」「職場が活性化していない」という状況であれば、意識的に「ふわふわ言葉」を使うようにしてみると、少しずつ職場の雰囲気も変わってくるでしょう。

【関連記事:部下とコミュニケーションをとるなら1on1面談が欠かせない!】
【シート付】1on1ミーティングで使える50のテーマ例を使ってネタ切れ解消!

お互いに気持ちよく過ごせる言葉選びを

「そうはいっても、仕事なんだから、そんな甘いことばかりいっていられないよ」という状況もありますが、相手を褒めるような場面だけでなく、もっと改善してほしい場合でも「ふわふわ言葉」で言えば印象は大きく違います

たとえば、部下の作成した資料にミスが多かったとしましょう。それを注意するのに「チクチク言葉」でいうなら

「この資料ミスばっかりで、全然ダメだよ。ちゃんと見直しはしたのか?仕事なんだから、もっと丁寧にやってくれ。こんなのだからお前はダメなんだよ」

とこんな感じです。それをふわふわ言葉」でいえば、

この資料はミスが多いけれど、もう一度見直したらもっといい資料になると思う。丁寧にきちんと見直してみて」

となるでしょう。このように「ふわふわ言葉」を使うと、コミュニケーションの印象は随分変わります。資料を修正する部下のモチベーションも、大きく違ってくるでしょう。

もちろん、「ふわふわ言葉」ばかり使えばいいかというとそうともいいきれません。「ふわふわ言葉」ばかりだと状況によっては、「緊張感がなくなる」などの弊害が出ることもあり、「チクチク言葉」も時には必要になります。

お互いに気持ちよく過ごせ、信頼関係が築きやすい「ふわふわ言葉」を意識的に使いながら、緊張感が必要な場面では「チクチク言葉」も活用する。その上手な使い分けで、気持ちの良い職場のコミュニケーションを目指していきましょう。