できない部下も変わる!部下を育成する目標管理のポイント


できない部下も変わる!部下を育成する目標管理のポイント

部下が、仕事ができなくて困っている。もう少し、前向きに取り組んで、成長してもらいたいんだけど…。

上司として部下の育成にこんな悩みを感じていませんか。
仕事ができない部下は、目標設定がきちんとできていないことがほとんどです。もしかしたら、そもそも目標設定をしたり、その目標が達成されたかどうかを確認したりする習慣が職場にない…ということもあるかもしれません。なかなか成長が感じられない部下も、仕事の目標設定やその後の目標管理を見直すことで行動が改善される可能性は高まります。

アールナインが提供する社員面談代行サービス「TOMONAS(トモナス)」では、このような状況を解決するために、目標設定とその後の行動を管理するPDCAサイクル(Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善))の習慣を身につける支援もしています。

そこで今回は、そのTOMONASの現場でも効果を実感している「仕事ができない部下もみるみる変わっていく」目標設定と目標管理のポイントをご紹介します。

設定する目標のハードルを下げる

 

1.目標は具体的で小さな目標から設定する

PDCAはご存知の方も多いと思いますが、知っているだけでなく毎日の実務で実行しているかどうかで全く仕事の取り組み方は変わってきます。実際に仕事ができない人は、業務でPDCAサイクルをうまく回せていないことがほとんどです。

このPDCAサイクルは言うまでもありませんが、最初の「P」の計画や目標設定が重要ですが、PDCAをうまく回すには、この「P(Plan:計画をたてる)」の目標設定がうまくできないというケースが見受けられます。

そもそも「目標がわからない」こともありますが、特に失敗するケースで多いのが

「新規顧客を増やす」
「新入社員の教育係として業務をしっかり教える」
「残業を減らす」

など大きすぎたり、漠然としたりしている目標や計画をたててしまうことです。

このような目標は達成したかどうかわかりませんし、目標達成のために何を行動してよいかも漠然としているため、目の前の業務に追われて後回しになり、結局手つかずのままになってしまいがちです。もちろん大きな目標を持つのはいいことですが、大きな目標達成のために今日からできるような具体的で小さな目標を設定しなければ、人はなかなか行動に移せません

ということで、ここで1つめのポイント。

目標は今日にでも行動できるような、具体的な小さな目標にしましょう。

先にあげた目標を言い変えるなら、

「新規顧客を増やすために、300件の架電リストを作る」
「新入社員の教育係として○○の業務のマニュアルを作成する」
「残業を減らすために、まずは今業務に時間がかかっているものを洗い出す」

といった具合です。

 

2.達成したかどうかわかりやすい数字と期日を決める

そして具体的な小さな目標を立てる際には、目標が達成したかどうかわかりやすいようにできる限り行動を「数字」で表し、いつまでにそれを行うか「期日」を必ず決めましょう。ただ、業務によって目標が数字にしやすい業務とそうではない業務があるので、できるかぎりで大丈夫です。

これを再び前述の例に当てはめてみると、以下のように変わります。

「新規顧客を増やすために、300件の架電リストを今週末までに作る」
「新入社員の教育係として○○の業務マニュアルを10日までに作成し、その後1週間以内に必ず1度勉強会を行う」
「残業を減らすために、時間がかかっている業務とその問題点を洗い出し、15日までに上司と相談する」

いかがでしょうか。このように「いつまでに何をする」が明確になると、行動を起こしやすくなってくる気がしてきませんか。

 

3.達成できなかったら達成できるレベルまで目標を小さくする

さて、小さな目標設定ができたら次は「Do(実行)」ですが、すぐにできるような具体的な行動を目標に設定したとしても、「忙しかった」「忘れていた」などで「Do(実行)」ができないことは非常によくあります。

特にまだPDCAサイクルに慣れていなく、今まで「決めた目標を実行する」という習慣がなかったような場合、最初に決めた目標の期日までに行動を起こせていないことがほとんどです。
しかし、実行できていないからといって「何でできないんだ!」と責めるよりも、ここは冷静に「Check」、つまり計画に沿っているかどうかを確認し、さらに「Action」の「改善策を考え、計画に沿っていない部分を処置する」ほうが効果的です。

ここで3つめのポイント。

もし達成できなかった場合には、上司と部下で達成できなかった要因をお互いに把握し、どのような目標なら達成できるかを話しあい、必要であれば確実に達成できるレベルまで目標を小さく修正しましょう

例えば先の例を使うなら、「忙しくて新規顧客開拓のための架電リストが作れなかった」場合には、「300件つくる時間がないなら、100件作ってみようか」など「より達成しやすい目標」にハードルを下げて修正し、まずは「決めたことを確実に実行する」習慣が身につくようマネジメントしていきます。

ちなみに、「忘れていた」は論外です。次に決めた期日までに確実にやるよう、確認していきましょう。

 

4.小さな「達成感」を一緒に味わう

最後のポイントは、小さな目標でも達成を部下と一緒に確認し、その成果を認めて、部下が達成感をしっかりと味わう機会をきちんと作ることです。

「自分は決めた目標をきちんと達成することができる」という達成感と成功体験を積み重ねれば、「自分は決めたことを実行できる」と部下のセルフイメージが変わっていきます。このセルフイメージが変わる効果は非常に大きく、たとえ小さな目標でも、この「達成感」が仕事に対する姿勢を変えていくのをTOMONASでは多く見てきました。

そして小さな目標が達成できたら、また新たなPDCAサイクルで少しずつ目標を大きくしていけば、やがて大きな目標の達成につながっていきます。

仕事ができない部下も、マネジメント次第では有能な部下へと成長する可能性は大いにあります。育成を諦めずに、働きかけていきましょう。