【徹底解説】Z世代の9つのホンネから迫る効果的なマネジメントとは


【徹底解説】Z世代の9つのホンネから迫る効果的なマネジメントとは

「Z世代社員は主張が強くて言うことを聞かない…」
「Z世代社員は正論をぶつけてきて手を動かそうとしない…」

このようにZ世代社員を部下としてマネジメントすることに、課題を感じる管理職の方も多いのではないでしょうか。

しかし、こういった課題も、Z世代の正しい伸ばし方を理解し実践することで解決できます。

今回の記事では、「Z世代社員はマネジメントしにくい」と上司が思う理由、Z世代社員のホンネと、Z世代社員の正しい伸ばし方について、

600社以上の人事業務の支援をしてきた株式会社アールナインが解説いたします。

これからの会社を支えるZ世代社員の育成は、決して逃れることのできない課題です。

しっかりと正しい伸ばし方を理解し、Z世代社員のパフォーマンスを高めていきましょう。

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目次

「Z世代社員はマネジメントしにくい」と上司が思う5つの理由

「Z世代社員は使えない」。このように嘆く管理職の方の声を耳にすることは少なくありません。

まずは、Z世代社員が使えないと思う理由について分解して解説していきます。

原因を分析することで、課題解決への糸口を見つけていきましょう。

1. 意識ばかり高く、実態が追いついていない

「Z世代社員は使えない」という方の声で、要因として多く挙げられるのは、意識ばかり高すぎるという点です。

Z世代社員は小さい頃からスマホを通して多くの情報に触れて育ち、社会があるべき理想の姿、自分らしい生き方などを深く考えてきた方が多くいます。

他世代と比較しても、世界中のヒト・モノ・コトから多種多様な情報を吸収しているため、Z世代社員は、理想のイメージをより高くよりグローバルに抱いている傾向があります。

しかし、実際は社会に出て間もないビジネスパーソンであることも事実です。

経験からでしか培われないことや、失敗体験や成功体験を通して得られる視野も多くあります。

このように、高い意識を持ちつつも、実体験やそこで培う能力が追いついていないことにより、マネジメントする側の視点には「意識ばかり高くて口だけ」という印象を受けることが多いようです。

2. 早い段階で「意味がない」と判断し、行動しない

「Z世代社員は使えない」と思う理由の1つとして、「意味がない」と時期尚早に判断し、行動しないという特徴があります。

Z世代は強みとして、業務の意味・目的を重要視するという特徴を持っています。

特に、社会的な課題には関心が強く、自分の行動が「誰の」「何のため」の仕事になるのかを重要視します。

しかし業務の中には、社会に直接影響を与えるものだけではなく、基盤を作るような業務も存在します。

前述したように、多種多様な情報に触れて育ったZ世代は、SNSやネットで見た情報だけで判断してしまう傾向が強いため、実体験を通して得られる情報を軽視し、「まずやってみる」という傾向が弱いと考察できます。

意味がないから行動しないではなく、意味を確かめるためにも行動するという意識を持ってもらうことも必要です。

3. 机上の空論や、屁理屈が多い

Z世代社員の発言には、机上の空論や、屁理屈が多いと感じる管理職の方もいらっしゃるでしょう。

前述した内容と共通して言えることですが、Z世代社員は実体験がなく、SNSやネットで得た情報だけで、物事を判断する傾向があるため、机上の空論や屁理屈という印象を与えてしまうことにも繋がります。

1つの考え方として、「無知の知」が不足しているとも考えられます。

「多くの情報から結論を出しているから間違いない」という判断が、自分に知識がないことの自覚を盲目にしてしまっていると考察できます。

それにより実績や実体験のない、机上の空論や屁理屈と感じられる発言に捉えられることも多々あるようです。

4. 平等性や権利を強く主張する

Z世代社員が、平等性や権利を強く主張することを、面倒だと感じる管理職の方も少なくありません。

大前提として、会社組織の中で差別がなく社員一人一人が平等であること、一人の人間としての権利があることは重要なことです。

しかし、この平等性や権利の解釈が過度なものや、自己の都合を優先しているだけのものであれば、対処が必要です。

Z世代社員は平等や権利という理解が促進された環境で育ってきていますが、マネジメントをしている上の世代の方は、まだ平等や権利への軽視が残る環境で育っています。

そのため両者には、レベル感の違いがあることを理解する必要があります。

本来の平等や権利があるべき姿を目指しつつ、それぞれが相手の世代の考えに対して歩みよる姿勢が必要です。

5. 実態以上に自分が万能だと思っている

他世代がZ世代社員を使えないと思う要因の1つに、実態以上に自分が万能であると思っているという傾向があります。

SNSやネットを介して多くの知識を取り入れる過程で、「知る」「わかる」「できる」という自己の理解の段階を認識できていないことが要因と考えられます。

行動を伴わなければ、「できる」という理解レベルに達することはありません。

しかし、行動というプロセスがないのに「できる」と思ってしまっている人がいるのも事実です。

自己理解が正しくできていないことにより、他世代から、実態以上に万能だと思い込んでいるという見られ方をしてしまいます。

Z世代社員の9つのホンネ

続いて、Z世代社員の本音について解説していきたいと思います。

先ほどは、Z世代社員をマネジメントする方の視点で解説しましたが、Z世代を正しく伸ばしていくためには、Z世代社員が本心ではどう思っているのかを理解することも必要です。

それでは、順番に解説していきます。

1. 社会的に意義のある仕事をしたい

Z世代は、社会に貢献ができ価値を生み出すことのできる、意義のある仕事をしたいと考えています。

多くの社会課題に関心を持ち、自分ができることは何かを考え、意欲的に取り組んでいきたいという意思を持っています。

そのような社会貢献の思いと、会社のビジョンを繋げ、Z世代の意欲を活かしていくことが大切です。

2. 充実したプライベートに重きを置くため、ワークライフバランスを重視する

Z世代は、仕事だけに全てを注ぐのではなく、プライベートでの自己実現も重視しているため、ワークライフバランスを大事にして働きたいと考えています。

高度経済成長期に仕事一本で集中して活躍してきた団塊世代とは、考え方に違いが出やすい部分です。

Z世代社員をマネジメントする方は、相手の価値観を尊重してあげることが大切です。

3. 効率性を高めて働きたい

Z世代社員は、効率性にも重きを置いています。

若い頃からデジタルデバイスを使いこなし、効率性を追求してきました。そのため、仕事でも効率的に働きたいという意欲を持っています。

注意すべきは、Z世代が考える効率性=必ずしも正しくないというポイントです。

効率性を重視する観点は素晴らしいポイントですが、業務の意味・目的を理解できていないまま、間違った効率性を定義してしまっている場合もあるため、マネジメントする人間がサポートすることが必要です。

4. 競争より協働

Z世代社員は、他世代と比較して出世意欲は高くありません。

競争で周囲を蹴落としてでも自分が上に行くことより、周囲と協力して目的達成することに価値観を置くZ世代社員が多いようです。

無理に競争心を煽るのではなく、周囲とのコニュニケーションを通して働ける環境づくりが必要です。

5. 会社を辞めるのも1つの選択肢と考えている

Z世代では、終身雇用を考えている方は少数です。

Z世代の多くは、その時々の状況や、自分の成長フェーズにあわせて環境を変えていきたいと考えているようです。

転職、副業、起業など選択肢を広く持っているため、離職することに対して特別ネガティブな認識は持っていないというのもZ世代の本音です。

6. 叱ることは無意味

Z世代には、「叱る」ことを無意味だと感じている方が多くいます。

Z世代が育った背景では、褒めながら育てるという考えが主流となっていたため、多くのZ世代の人は叱られるよりも褒められて育っているからです。

育成をテーマとした内容で、「怒る」と「叱る」は違うという議論がなされることがありますが、そもそも「叱る」という概念自体を持っていないというのが、Z世代の本音です。

7. 自分に注目して欲しい

Z世代は、他世代と比較し承認欲求が強く、自分に注目して欲しいと思う方が多いです。

SNSで、「いいね」や「フォロー」の数を求めることからもわかるように、人に見てもらいたい、人から注目されたいという意識が強くあります。

マネジメントをする際は、個々を見ているというフィードバックをしてあげることが大切です。

8. 年功序列に否定的

多くのZ世代は、「年功序列」に対して否定的な考えを持っているようです。

能力で評価されるのではなく、勤続年数で評価されてしまうことは合理的ではないと考えるためです。

Z世代は勤続年数ではなく、自分が頑張った功績をフラットに評価してもらいたいと考えています。

9. オープンにコミュニケーションをしたい

Z世代は、自分の考えやアイデアをオープンに発信していきたいと考えています。

SNSのように多様な意見が飛び交うコミュニケーションを好み、自分達も自由に意見やアイデア出しができる環境が欲しいと思っています。

社内で、オープンにコミュニケーションが取れる場を提供することで、Z世代はより活発に発信してくれるようになります。

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Z世代社員の正しい伸ばし方

ここまで、他世代がZ世代から受ける印象と、Z世代の本音について解説いたしました。

Z世代の強みを活かして協働していくためには、Z世代から受ける印象とZ世代の本音のギャップを埋めていくことが必要です。

まず相手を理解したうえで、伝えるべきことを伝えていきましょう。

Z世代の正しい伸ばし方として、重要な要素について順番に解説していきます。

1. まずは傾聴する姿勢を第一に持つ

Z世代社員を伸ばすためには、Z世代社員と真摯に向き合うことが必須です。

Z世代は本来、先輩社員や上司ともコミュニケーションをとりたいと思っています。

一方的に何かを伝えるのではなく、まずはZ世代社員の声に耳を傾けるようにしましょう。

育成は傾聴することから始まります

2. 自分の若い頃を基準にせず、相手の価値観を尊重する

Z世代社員にギャップを感じた時、自分の若い頃を基準にしないようにしましょう。

育ってきた背景が違えば、考え方や基準も異なります。

Z世代の特徴をよく理解し、相手の価値観を尊重して育成するようにしましょう。

3. Z世代の強みを活かす

Z世代は、他世代より秀でた強みを持っています。

デジタルデバイスやインターネット環境への知識や、多様性を認めた広い考え方などは大きな強みといえるでしょう。

ネガティブな部分にばかり目を向けるのではなく、Z世代の強みを伸ばしていくことが必要です。

4. Z世代の理想と今できることを棚卸しする

Z世代を伸ばすためには、Z世代の理想と今できることを棚卸しすることが必要です。

上司が「Z世代は意識ばかり高くて使えない」と思うのは、Z世代社員が今できることの自己理解ができておらず、理想ばかりが先行しているという要因が関係しているようです

この問題を解決するためには、Z世代社員が今できることを一つ一つ棚卸しして、理想の状態とのギャップを埋め、今何をすればよいか整理していくことが必要です。

5. 仕事の意味や目的を明確に伝える

Z世代社員に意欲を持って仕事をしてもらうためには、しっかりと仕事の意味や目的を伝えることが必要です。

目の前の仕事の意味や目的が伝えられていないと、自分で「意味のない仕事」と結論付けてしまい、やる気を持って働かなくなります。

そのため一つ一つの仕事がどのような価値に繋がるのかを、明確に伝えていく必要があります。

6. Z世代社員の理想を実現する機会をサポートする

Z世代社員は、社会的な価値や貢献に関して強い関心を持っています。

そのようなZ世代が実現したいと思っていることを、仕事を通して実現できることが一番良い形です。

そのためには、まずZ世代社員が仕事を通して何を実現したいかをヒアリングしましょう。合わせて、自社で実現するためにはどのような方法があるかを一緒に考えサポートしてあげることが大切です。

7. 会社で実現することと、プライベートで実現したいことを切りわける

Z世代社員の理想を仕事を通して実現させるために、上司がサポートをすることは大切です

しかし、全てを職場で実現するのは難しいものです。そのため、会社で実現できること、プライベートで実現できることを切りわけて理解してもらうことが必要です。

Z世代社員との面談時に、整理するサポートをしてあげるのが良いでしょう。

8. 実体験を積ませ、できることを増やしていく

Z世代社員の理想と実態の差を埋めるためには、実体験を積ませる機会を与え、できることを増やしていくことが必要です。

ネットの情報だけで理解した気になっていたことも、実体験を通して新たな課題が見つかることも多くあるでしょう。

そのため、数多くの業務の機会を与え、実際の経験を通して学びを得てもらうことが大切です。

9. アイデアを提案しやすい場を作る

Z世代社員を伸ばしていくためには、アイデアを提案しやすい場を作ることも大切です。

面談時だけでなく、手軽にオープンなコミュニケーションがとれるよう、社内でのチャットや掲示板などを使うと良いでしょう。

10. メンター制度を活用する

Z世代社員の育成方法として、メンター制度を取り入れることは効果的です。

活発的なコミュニケーションを望むZ世代には、メンターという身近に相談できる相手がいることで、悩みや疑問が解決されます。

メンター制度は、コミュニケーションを重視するZ世代に適した育成方法です。

11. 褒めることや、感謝を伝えることを忘れない

Z世代社員の育成には、褒めることや感謝を伝えることは欠かせません。

Z世代の多くは、承認欲求を強くもっているからです。

褒めることや感謝を伝えることで、自分を見て欲しい、評価して欲しいという気持ちに応えることが大切です。

12. 会社や上司を信頼できる環境を作る

Z世代社員を育成するためには、信頼関係の構築は必須です。

上司を信頼してもらうために、挨拶や立ち振る舞い、細かな配慮、部下の成長を褒めることなど、日頃から信頼関係を構築できるよう意識しましょう。

また、会社を信頼してもらうために、会社のビジョンや方向性をしっかりと落とし込んでいくことも必要です。

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まとめ

今回は、「Z世代社員は使えない」と上司が思う理由、Z世代社員の本音、Z世代社員の正しい伸ばし方について解説いたしました。

他世代から見るZ世代と、Z世代の心の内にはギャップがあります。

そのギャップを埋めるためには、相手を尊重したコミュニケーションを積極的にとっていくことが鍵となります。

Z世代社員との信頼関係を深め、Z世代社員が能力を発揮して働けるよう正しく伸ばしていきましょう。

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◆「Z世代社員は使えない」と上司が思う5つの理由
1. 意識ばかり高く、実態が追いついていない
2. 早い段階で「意味がない」と判断し、行動しない
3. 机上の空論や、屁理屈が多い
4. 平等性や権利を強く主張する
5. 実態以上に自分が万能だと思っている
◆Z世代社員の9つのホンネ
1. 社会的に意義のある仕事をしたい
2. 充実したプライベートに重きを置くため、ワークライフバランスを重視する
3. 効率性を高めて働きたい
4. 競争より協働
5. 会社を辞めるのも一つの選択肢と考えている
6. 叱ることは無意味
7. 自分に注目して欲しい
8. 年功序列に否定的
9. オープンにコミュニケーションをしたい
◆Z世代の正しい伸ばし方
1. まずは傾聴する姿勢を第一に持つ
2. 自分の若い頃を基準にせず、相手の価値観を尊重する
3. Z世代の強みを活かす
4. Z世代の理想と今できることを棚卸しする
5. 仕事の意味や目的を明確に伝える
6. Z世代社員の理想を実現する機会をサポートする
7. 会社で実現することと、プライベートで実現したいことを切り分ける
8. 実体験を積ませ、できることを増やしていく
9. アイデアを提案しやすい場を作る
10.メンター制度を活用する
11.褒めることや、感謝を伝えることを忘れない
12.会社や上司を信頼できる環境を作る
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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。