人事必読!クラッシャー上司の5つの特徴と3つの対策


人事必読!クラッシャー上司の5つの特徴と3つの対策

クラッシャー上司とは、文字通り部下をつぶすダメ上司の事です。

ほとんどの人事担当者が、何人か頭に浮かぶと思いますが、なかなか断定できずに手をこまねいているかもしれません。なぜなら、クラッシャー上司というのは部下への当たりは強くても、自分の上司や他部署に対してはうまく対応していることもあるからです。

しかし、クラッシャー上司をそのまま見過ごしてしまっていると、現場の人材育成に支障をきたします。退職とまではいかなくても、クラッシャー上司からのストレスで仕事の生産性が落ちている…という目に見えないデメリットも生じているかもしれません。

職場の生産性を高めるためにも、若手人材の育成を妨げないようにするためにも、人事として「クラッシャー上司」といわれる人材への対応を確認しておきましょう。

クラッシャー上司の特徴は?

どのような項目が当てはまればクラッシャー上司と考えていいのでしょうか?

1. 休んだり、辞めたりする部下が多い

部下が休んだり、辞めることが異常に多い人はいませんか。

また、同じ部内でクラッシャー上司とうまくいっている人がいるとすれば、その人達も他のクラッシャー化、モンスター化している可能性があるので注意が必要です。

2. 裁量と丸投げをはき違えている

「権限」「裁量」という言葉を都合よく使い、部下を猛烈に働かせます。しかし相談にはあまり乗ってくれず「進捗はどうだ?」と執拗に聞いてきて、更に追い詰めます。

3. 部下の手柄を横取りしている

部下を自分の手足としか思っていないので、俺の成功は俺のもの、お前の成功も俺のもの状態です。逆に失敗すると、お前のせいで失敗した、と部下に当たるのです。

4. 人の話を聞かずに詰め倒す

正しいのは自分理論だけです。
自分の考えと違った場合は「なんでわからないんだ」「使えないな」「勘が悪いな」と全否定して罵倒します。

5. 手取り足取りつきっきり

一見、手取り足取りしっかり指導しているように見せかけて、自分自身のやりたいことを部下に作業させている、考えを押し付けているだけの場合があります。

また、土日も家族ぐるみで過ごしたりしているので、うまくいっている仲のいい上司部下に見えてしまいます。でも実際は、部下の方が機嫌を損ねるとやっかいだから、とお付き合いしているだけなのです。

実はクラッシャー上司というのは、本人達と話をすると彼ら自身が極端に自分に自信がなかったり、またはメンタルに問題を抱えていることが多いことがわかります。そうしたことも加味しながら人事は対応していく必要があるのです。

本人達との1on1面談に使えるシートもございますので、ぜひご活用ください。

やりがちな間違ったクラッシャー上司対策

1.上から目線での指導

他人の意見を受け入れるタイプであれば、クラッシャー上司になっていません。

人事からの「姿勢や指導方法の見直しを」というのは、彼らにとっては小言にしかならず、反論されてしまいます。

2.耐えられそうな部下を回す

問題はクラッシャー上司にあるのに、一部の耐性のありそうな社員を下につけることによって休職や退職を防ぐ方法です。

とりあえずの対応だとしても、問題解決から目を背けて、一部の社員を犠牲にしてはいけません。

3.周囲や部下に理解を求める

「悪気はない」「わかってやってくれ」と部下に理解を求めてはいけません。

あの人は仕方ないから、と周囲が諦めてしまう社員なのかもしれませんが、評価等の権力を持った上司がそういう人だということを許し、人事が部下に理解を求めるというのは最もやってはいけません。

クラッシャー上司に対して人事がすべきこと

では、クラッシャー上司に対して、人事はどのように対処していけばいいのでしょうか。

1. 対話

指導する前に、まず話を聞きましょう。対話をする前に指導したのでは、平等性にも欠けますし上司のプライドを傷つけてしまう可能性もあるのです。そうすると、反省はおろか、より陰湿なクラッシャー上司になってしまう可能性だってあるのです。

もしかしたら部下とコミュニケーションがうまく取れず、上司も困っているのかもしれません。

部下とのコミュニケーションについては「部下とコミュニケーションがとれない!この状況を改善するには?」にまとめましたので、是非参考にしてみてください。

2. 教育

対話や教育は、同じ会社の社員からされることに抵抗感を持つ人もいるかもしれません。

「何も知らないくせに」「自分だけではなく、この部はこの方法でやって来た」と新たなクレームに繋がる可能性もありますので、そうした場合は外部の力を借りることも必要です。

第三者から客観的な分析やアドバイスは、社内だけに通用する常識が間違っていると気づくチャンスになるのです。

3. 異動

どうしても改善しない場合は、クラッシャー上司を異動させるしかありません。

その場合、望ましいのはクラッシャー上司が一番下の立場になる部門や、一人っきりで行う仕事等他人に迷惑が掛からない仕事に異動させましょう。ただ、上手に対応しないと、「干された」と思ってクラッシャー上司が転職してしまうことがあります。

仮に、仕事面「だけ」考えると優秀で必要な人材、ということであれば彼の得意とすることの延長線上でできる仕事を探す必要があります。

採用や評価、給与、異動等人事が担当する仕事は多岐に渡りますが最も心を砕かなくていけないのが、「人」の問題です。人事というくらいですから、社内トラブルを解決するのは大変な仕事ですが人事の醍醐味とも言えるでしょう。

人生100年時代、定年の延長、再雇用等これから変わっていく社会に対して、こうした人に関連する仕事は増えていくことが予想されますので、今のうちから内部、外部の力を活用して力をつけておきましょう!

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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。