採用代行をフリーランスに依頼するには?メリットと法律関係の注意点を解説
公開日: 2026年01月22日 | 最終更新日: 2026年01月23日

採用活動におけるリソース不足やノウハウ不足は、多くの企業が抱える課題です。その解決策として採用代行サービスが注目されていますが、「企業に頼むほどの予算はない」「特定の業務だけ手伝ってほしい」という声も少なくありません。そこで新たな選択肢として浮上しているのが、フリーランスへの採用代行依頼です。
本記事では、フリーランスに採用代行を依頼するメリット・デメリットから、最も注意すべき法的なポイント、費用相場まで詳しく解説します。
採用代行はフリーランスに依頼できる?
採用代行をフリーランスに依頼するということは、企業が採用業務の専門知識を持つ個人(フリーランス)と直接、業務委託契約を結び、採用活動の一部または全体を委託することになります。企業の採用部門の一員としてではなく、外部の独立したパートナーとして業務を遂行してもらう形態を指します。
| 比較項目 | フリーランスへの依頼 | 採用代行会社(RPO)への依頼 |
| コスト | 比較的安価な傾向 | 比較的高価な傾向 |
| 柔軟性 | 高い(業務範囲や期間を調整しやすい) | プランによる(一定の制約がある場合も) |
| 専門性 | 個人のスキルや経験に依存する | 組織としてのノウハウや実績がある |
| 対応力 | 個人で対応できる範囲に限られる | チームで対応するため大規模案件も可能 |
| 契約形態 | 業務委託契約(個人) | 業務委託契約(法人) |
企業と直接業務委託契約を結ぶ形態になる
企業とフリーランスの間で、委託する業務の範囲、期間、報酬などを定めた業務委託契約を締結します。
フリーランスは契約内容に基づき、採用戦略の立案、スカウトメールの送信、面接日程の調整といった具体的な業務を請け負います。企業は正社員を雇用するのとは異なり、必要な時に必要な業務だけを専門家に依頼できるため、柔軟な採用活動が可能になります。
採用代行会社(RPO)を利用する場合との違い
採用代行サービスを提供する専門企業(RPO)に依頼する場合と、フリーランスに依頼する場合では、いくつかの違いがあります。
最も大きな違いは、契約形態とコスト構造です。RPO企業は組織としてサービスを提供するため、安定した品質や幅広い対応力が期待できる一方、管理費などが含まれるためコストは高くなる傾向にあります。
対してフリーランスは個人との直接契約のため、比較的コストを抑えやすく、柔軟な対応を期待できる点が特徴です。
フリーランスに依頼できる採用代行の業務内容
フリーランスに依頼できる業務は多岐にわたりますが、特に専門性や経験が活かせる業務で多く活用されています。ただし、後述する法的な制限により、依頼できない業務もあるため注意が必要です。
採用戦略の立案や採用計画の策定
どのような人材を、いつまでに、何人採用するのかといった採用計画の策定や、市場の動向を踏まえた採用戦略の立案をサポートしてもらえます。
経験豊富なフリーランスであれば、企業の現状をヒアリングし、最適な採用手法を提案してくれるでしょう。
求人媒体の選定と求人票の作成
数多く存在する求人媒体の中から、ターゲットとなる人材に最も響く媒体を選定し、候補者の応募意欲を高めるような魅力的な求人票を作成する業務です。
職種ごとの特性や最新のトレンドを理解しているフリーランスの力は、母集団形成において大きな助けとなります。
ダイレクトリクルーティングでのスカウト業務
企業が候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングにおいて、候補者の選定からスカウト文面の作成、送信までを代行してもらえます。
特に、スカウトの返信率を高めるためのノウハウを持つフリーランスは、採用の成功に直結する重要なパートナーとなり得ます。
書類選考や応募者対応
多数の応募があった際の書類選考や、応募者からの問い合わせ対応、面接日程の調整といった煩雑なオペレーション業務も依頼可能です。
これらの業務を委託することで、社内の採用担当者は面接などのコア業務に集中できます。
カジュアル面談や一次面接の代行
企業の採用担当者に代わって、カジュアル面談や一次面接官を担当してもらうことも可能です。候補者のスキルや経験を見極めるだけでなく、企業の魅力を伝え、候補者の入社意欲を高める役割を担います。ただし、最終的な合否判断は企業側が行う必要があります。
採用代行をフリーランスに依頼する3つのメリット
フリーランスへの依頼は、特にスタートアップや中小企業にとって多くのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットを紹介します。
メリット1:採用代行会社に比べてコストを抑えやすい
フリーランスは個人で活動しているため、法人である採用代行会社のようなオフィス費用や管理部門の人件費といった間接コストが少ない分、依頼費用を抑えられる傾向にあります。
採用に多くの予算を割けない企業にとって、コストパフォーマンスの高さは大きな魅力です。
メリット2:依頼する業務範囲の自由度が高く柔軟性がある
「今月はスカウト送信を100件お願いしたい」「このポジションの採用が決まるまでサポートしてほしい」など、企業の状況に合わせて依頼内容を柔軟にカスタマイズできます。
採用代行会社のパッケージプランでは対応が難しい、ピンポイントな業務依頼にも対応しやすいのが特徴です。
メリット3:特定分野の専門知識を持つ人材を見つけやすい
フリーランスの中には、ITエンジニア採用の専門家、スタートアップの幹部採用に特化した経験を持つ人など、特定の分野で高い専門性を持つ人材がいます。
自社の採用課題に合致したスキルを持つフリーランスを見つけることができれば、即戦力として大きな成果を期待できます。
採用代行をフリーランスに依頼する際のデメリット
多くのメリットがある一方で、フリーランスへの依頼には特有のデメリットや注意すべき点が存在します。事前に理解し、対策を講じることが重要です。
デメリット1:依頼できる業務に法的な制限がある
フリーランスに依頼する上で最も注意すべき点です。職業安定法により、許可なく「職業紹介」を行うことは禁じられています。
そのため、フリーランスが企業の代理として候補者と直接金銭の交渉を行ったり、成功報酬型の契約で人材を紹介したりすることは違法となる可能性があります。
デメリット2:偽装請負と見なされるリスクがある
業務委託契約であるにもかかわらず、企業がフリーランスに対して具体的な指揮命令を行っていると「偽装請負」と判断されるリスクがあります。
偽装請負は違法行為であり、労働時間や業務の進め方について、企業側が細かく指示することは避けなければなりません。
デメリット3:マネジメントの工数が発生する
フリーランスは外部のパートナーであるため、業務の進捗確認や情報共有など、円滑に連携するためのマネジメントが必要です。
依頼内容が曖昧だったり、コミュニケーションが不足したりすると、期待した成果が得られない可能性があります。社内に、フリーランスとの連携を担当する窓口を設ける必要があります。
デメリット4:採用ノウハウが属人化しやすい
フリーランスに業務を任せきりにしてしまうと、採用活動のノウハウが個人に集中し、社内に蓄積されないという問題が生じます。
契約が終了した途端に、採用活動が立ち行かなくなる事態も考えられます。定期的なミーティングでノウハウを共有してもらうなど、情報資産を社内に残す工夫が求められます。
採用代行サービス「人事ライト」はフリーランス×社員のハイブリッド型
株式会社アールナインの提供する採用代行サービス「人事ライト」は、特定の個人に依存するのではなく、貴社専任の「アールナイン社員(プロジェクト責任者)」と、実務を行う「業務委託パートナー(採用のプロ)」がチームを組んで支援する体制をとっています,。
このハイブリッド型には、以下のような3つの大きな特徴があります。
1. マネジメント工数「ゼロ」で、プロの技術を活用
フリーランスに直接依頼する場合、業務の指示出しや進捗管理は貴社が行う必要がありますが、「人事ライト」ではその必要がありません。
アールナインの正社員がプロジェクト責任者として窓口に立ち、パートナーへのディレクションや品質管理(Wチェック体制など)を一手に引き受けます。これにより、採用担当者は「採用のプロを使う」メリットだけを享受し、管理の手間から解放されます。
2. 1,500名以上のプロフェッショナルから適任者を選定
一人のフリーランスや派遣社員を雇う場合、その人の得意分野に依存してしまいますが、アールナインには約1,500名のパートナー(人事・採用経験者、キャリアコンサルタント有資格者など)が在籍しています。
「エンジニア採用に強いリクルーター」「理系学生の口説きが得意な面談官」など、貴社の課題に最も適したスキルを持つ人材をアサインいたします。
3. 「属人化」を防ぎ、安定した運用とノウハウ蓄積を実現
個人への依存は、急な体調不良や契約終了による「業務停止」や「ノウハウの喪失」のリスクを伴います。 しかしながら、人事ライトではアールナイン社員がプロジェクト全体を統括し、定例ミーティング等を通じて貴社にノウハウを蓄積・共有します。
万が一、実務担当のパートナーが稼働できなくなった場合でも、即座に別のパートナーへ引き継ぐバックアップ体制があるため、採用活動を止めることなく、安定して推進させることが可能です。
【重要】違法にならないために知っておきたい法的ポイント
フリーランスへの採用代行依頼を検討する上で、法律に関する正しい理解は不可欠です。知らずに違法行為とならないよう、特に重要な2つのポイントを解説します。
参考:厚生労働省「職業安定法」
ポイント1:人材紹介にあたる業務は許可なく依頼できない
職業安定法で定められている「職業紹介」とは、「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」を指します。この行為は、厚生労働大臣の許可を得た事業者しか行えません。フリーランスがこの許可なく、特定の候補者を企業に紹介して報酬を得ることは違法です。あくまで企業側の業務を代行する「採用コンサルタント」や「業務委託」の範囲に留める必要があります。
ポイント2:偽装請負にならないように契約と業務管理に注意する
偽装請負とは、契約形式上は業務委託契約でありながら、実態が労働者派遣である状態を指します。これを避けるためには、企業がフリーランスに対して指揮命令を行わないことが重要です。具体的には、「出退勤時間を管理しない」「業務の進め方を細かく指示しない」「他の業務を依頼しない」といった点に注意し、あくまで契約で定めた業務の完成を目的とすることが求められます。
| 項目 | 業務委託(適法) | 偽装請負(違法) |
| 指揮命令関係 | ない | ある(業務の進め方を細かく指示する) |
| 労働時間の拘束 | ない(納期や成果物で管理) | ある(始業・終業時刻を管理する) |
| 代替性 | ある(本人が別の人に再委託可能) | ない(本人以外の業務遂行を認めない) |
| 報酬の性質 | 業務の成果物に対する対価 | 労働時間に対して支払われる対価 |
フリーランス採用代行の費用相場と料金体系
フリーランスに依頼する場合の費用は、その人のスキルや経験、依頼する業務内容によって大きく変動します。主な料金体系は以下の3つです。
時間単価型の料金体系
「時給制」とも呼ばれ、稼働した時間に応じて報酬を支払う形式です。相場は時給3,000円〜10,000円程度で、コンサルティングなど専門性が高い業務ほど高額になります。短期間や特定の業務だけを依頼したい場合に適しています。
月額固定型の料金体系
毎月一定の業務量を依頼する場合に用いられる形式で、「リテイナー契約」とも呼ばれます。
月の稼働時間や業務内容をあらかじめ決めて契約します。相場は月額20万円〜50万円程度で、継続的に採用活動をサポートしてほしい場合に適しています。
成果報酬型の料金体系
採用が決定した場合にのみ報酬が発生する形式です。しかし前述の通り、この形式は職業紹介事業と見なされる可能性が非常に高く、無許可のフリーランスとの契約は違法となるリスクがあるため、原則として避けるべき料金体系です。
優秀なフリーランス採用代行パートナーの探し方
自社に合った優秀なフリーランスを見つけるためには、適切なチャネルを活用することが重要です。
フリーランス専門のマッチングプラットフォームを活用する
近年、特定のスキルを持つフリーランスと企業を繋ぐマッチングプラットフォームが増えています。
人事・採用領域に特化したプラットフォームもあり、登録しているフリーランスの経歴や実績を確認しながら、直接スカウトや交渉が可能です。
フリーランス専門のエージェントに相談する
フリーランス専門のエージェントサービスを利用する方法もあります。
企業の課題や要望をヒアリングした上で、最適なスキルを持つフリーランスを紹介してくれます。手数料は発生しますが、ミスマッチのリスクを減らし、効率的にパートナーを見つけられます。
H3:SNSやリファラル(知人からの紹介)で探す
X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSで、採用に関する情報発信を行っているフリーランスを探す方法もあります。
経営者仲間や知人から、実績のあるフリーランスを紹介してもらうリファラルも、信頼性が高く有効な手段の一つです。
まとめ
採用代行をフリーランスに依頼することは、コストを抑えつつ専門家の力を借りられる、非常に有効な採用手法です。
特に、リソースが限られるスタートアップや中小企業にとっては、事業成長の大きな後押しとなる可能性があります。
ただし、その一方で「職業紹介事業法」や「偽装請負」といった法的なリスクも存在します。メリットだけに目を向けるのではなく、これらの注意点を正しく理解し、契約内容や業務の進め方を慎重に検討することが不可欠です。本記事で解説したポイントを参考に、貴社にとって最適な採用パートナーを見つけてください。
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。








