採用代行(RPO)とは?委託できる業務やメリット、注意点など徹底解説


採用代行(RPO)とは?委託できる業務やメリット、注意点など徹底解説

少子高齢化による労働不足の減少が叫ばれる今、採用活動を取り巻く環境はめまぐるしく変化しています。そんな中、採用に関する業務を外部の専門企業に委託するRPO(Recruitment Process Outsourcing=採用代行サービス)に注目が集まっています。

採用代行者のスキルや専門性によって採用の達成度合いが大きく変わるため、RPOを選定する際は慎重に検討する必要があります。この記事では、採用代行で委託できる業務やメリットデメリット、向いている企業の特徴など、採用代行に関する情報を幅広くご紹介します!

採用代行(RPO)とは?

RPOとは、「Recruitment Process Outsourcing(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」の略語であり、企業が社内で行っていた採用に関わる業務を外部パートナーに委託する行為を指します。

日本では「採用代行」や「採用アウトソーシング」と呼ばれることもあります。人材採用に関する様々な業務を専門のプロフェッショナルに任せられます。

おすすめの採用代行サービスをまとめて知りたい場合はこちらの記事をご覧ください▼▼
【2024年11月最新】採用代行(RPO)比較|おすすめ46社を徹底解説

なぜ今、採用代行が注目されるのか?

近年、採用代行を利用する企業が増加傾向にあります。少子高齢化や売り手市場の加速により、企業が必要な人材を確保する難易度が高まる一方で、採用手法も多様化し、従来のやり方だけでは適切な人材を確保しにくくなっています。

そのため、採用の専門知識や豊富な経験を持つプロフェッショナルに一部の業務を委託し、効率的な採用を実現したいと考える企業が増えています。

特に、新型コロナの影響で採用活動のオンライン化やデジタル化が進んだことで、これまで以上に採用の工数管理や進捗の透明化が求められています。採用にリソースを割けない企業でも、優秀な人材を効果的に確保できる手段として、採用代行の利用はますます注目されています。

以前は「採用は企業の根幹であり、外部に委託するものではない」という意見が一般的でした。しかし現在では、採用成功のためにプロの力を活用することが戦略的な選択肢と見なされるようになり、業種や企業規模を問わず、採用代行を積極的に導入する企業が増加しています。

採用代行と人材派遣、人材紹介との違い

採用代行は「業務委託(アウトソーシング)」のひとつです。そのため、採用代行と他の人材サービスには違いがあります。

採用代行と人材派遣の違い

人材派遣は、派遣会社から派遣されたスタッフが企業で業務を行い、企業が日々の業務指示を直接出せる仕組みです。企業が指揮を取りながら進行状況を調整できるため、進め方を細かくコントロールしたいときに適しています。

一方で、採用代行は、採用活動全体を外部に任せる形です。作業内容や人材の管理はすべて委託先の代行会社が担当し、企業が直接業務の指示を出すことはありません。必要に応じて、委託先と進捗を確認しつつ進めることは可能ですが、日々の作業は代行会社に一任されます。

そのため、業務進行を直接管理したい場合には「人材派遣」が向いており、採用活動を全てまとめて任せたいときには「採用代行」が最適です。

採用代行と人材紹介の違い

人材紹介は、企業が求める人材を紹介会社が見つけて候補者として紹介するサービスです。紹介会社は、面接日程の調整や入社条件の交渉など、候補者に関する手続きをサポートしますが、その対象は自社が紹介した候補者に限られます。

一方、採用代行は、採用プロセス全体のサポートが可能です。応募者全員の進捗管理や求人媒体の運営なども含め、企業の採用活動全体を支援します。

そのため、人材紹介はあくまで「候補者を紹介する」サービスであるのに対し、採用代行は「採用プロセス全体を委託する」サービスと言えます。

採用代行で依頼できる主要な業務

採用代行では採用にまつわる様々な業務を任せることができます。具体的にどんなことを依頼できるのか、その内容をご紹介します。

1.採用計画の策定

採用が成功するかどうかは、よい採用計画を策定できるかどうかが重要なポイントです。「この部署で退職する人が出たから、代わりの人を補充したい」といった程度の内容では、うまくマッチする方を採用するのは難しいでしょう。 

どのようなスキルを持った人が必要か、現場で何が求められているかなど、細かい点まで検討し、具体的な計画を立てることが重要です。 

また、競合の求人と比べた時に自社の求人がどう見えるのかといった視点も必要になります。採用代行では、このような複合的な観点から採用計画を策定していきます。

2.母集団形成

採用活動をするうえでよくある課題が「求人を出したのに人が集まらない」というものです。少ない人数から選ぶとなると自社にマッチする人材を選べる確率が低くなってしまうため、母集団形成が重要です。 

特に少子高齢化が進み生産人口が減り続けている昨今では、単に求人を出しただけでたくさん人が集まることはほとんどありません。

だからこそ母集団形成に注力し、選択肢を広げることで適切な人材を確保する確率を上げます。

3.求人媒体運用

上記で説明した母集団形成の方法には、いくつかの種類があります。最もイメージしやすいのは、求人媒体の運用です。どの求人媒体を使うのか、どのような内容を記載するのか、写真は掲載するかなどを考え、実際の手配も担当します。

 媒体によってはスカウト機能がついているものもあるので、そちらも活用していきます。どういったターゲットにどのようなスカウトメッセージを送るか考え、いつまでに何人をスカウトするのかという計画も立てます。

4.エージェント対応

母集団形成のために、エージェントを使うという選択肢もあります。特に、よりスキルのある人材を確保する際に役立つ方法です。そこで、どのエージェントを活用するかを決めたり、実際に提示された人材の選定をしたりといった業務も、採用代行が対応可能です。

5.説明会等のイベントの実施

説明会や、短期・1dayのインターンシップ等のイベントは、新卒採用でよく行われます。多い時には数百人の学生を集めて、自社の理念や業務内容を伝えたり、先輩社員として従業員が学生とコミュニケーションをとったりします。

説明会は、多くの学生に一気にアプローチできる大きなチャンスです。そこでいかに自社を魅力的に感じてもらうか、プロの視点から企画立案します。

6.書類選考・面接

求職者が集まったら、選考に進みます。事前に採用したい人物像を伝えることで、書類選考や面接を一任することが可能です。また、面接などコア業務は自社で行い、面接案内や控室の運営などのサポートだけお願いすることもできます。

7.応募者管理

採用の過程で生まれる応募者の管理も採用代行にお任せできます。面接の案内や問い合わせの対応、合否連絡などを一任できるため、自社の負担が軽減します。

8.内定者研修・社内研修

採用が決まった内定者や求職者に対して、研修を行います。新卒採用は特に「内定は出たが本当にここで働いてよいのか」と悩むこともあるため、内定期間中のコミュニケーションが非常に重要です。内定辞退者を出さないためにも、プロによる研修がおすすめです。

 研修の内容は、採用した方が現場でどのような活躍をしてほしいかによって内容が変わります。例えば、新卒採用では社会人としての基本的なビジネスマナーを教えるところから始めなければなりません。採用代行を利用することで、どのくらいの期間、どのように研修するかをゼロから考える必要がなくなります。

採用代行が向いている企業の特徴

採用代行を積極的に利用すべき企業の特徴は以下の通りです。もし、これらの特徴に当てはまる場合、採用代行を前向きに検討すべきでしょう。

  • 事業が急成長中:急速な事業拡大に伴い、多数の人材を迅速に確保する必要がある企業。スタートアップやベンチャーに多い。
  • 人事部門が小規模/ない:内部リソースが限られ、人事担当者が少ないため、採用業務を効率的に進めるのが難しい企業。
  • 採用業務に時間を割けない:担当者が兼務や時短勤務であるため、採用業務に時間をさけず、業務がまわっていない企業。
  • 繁忙期に採用ニーズが集中する:特定の時期に大量の人材を採用したり、大量の選考を行う必要がある企業。大手企業に多い。
  • 専門知識が必要な職種を募集している:エンジニア採用など、特定の専門知識が必要な人材を見つけるのが難しい企業。
  • 採用ノウハウが不足している:採用に知見のあるメンバーがおらず、担当者の感覚や過去の慣習にならって採用している企業。
  • 採用プロセスの歩留まりが悪い:何かしらの理由で候補者からの辞退が多く、採用実績が目標を大きく下回っている企業。
  • 採用の質を向上させたい:自社に合った人材が採用できず(わからず)、採用がうまくいっていないと考えている企業。
  • 採用コストを削減したい:採用にかけられるコストが限られ、人件費を抑えたい企業。無駄な出費があると感じている企業。

これらの特徴を持つ企業は、採用代行の利用によって多くのメリットを享受できる可能性が高いです。

採用代行を導入するメリット

①マンパワーの確保

採用担当者の人手が足りない企業は多いです。「社長や役員が自ら採用を行う」「専門的ではない社員が兼務で採用を行う」「そもそも採用部署がない」といった状況は珍しくありません。そこで採用代行を利用すれば、自社の採用チームの体制が十分ではない状況であっても、迅速かつ柔軟に業務における人材不足を補えます。

②採用の質の向上

採用代行サービスを利用すると、採用の専門家の知識と経験が活用できます。単なるマンパワーの補充ではなく、採用の戦略やターゲット、選考プロセスの見直し、進捗管理などを一緒に行ってくれるので、採用プロセス全体の歩留まりが改善し、結果として採用の質の向上が期待できます。

③コストの削減

採用代行はコストの削減にも寄与します。新たに採用担当者を採用する場合、時間やコストがかかりますが、採用代行なら短期間で経験豊富な専門家をチームに加えられます。また、無駄な業務の見直しを行なって採用活動を効率化することで、採用全体にかかるコストを抑えられることもあります。

採用代行(RPO)を依頼する際の注意点

費用の試算をしっかりと行う

採用代行は、一連の採用活動の代行を依頼することもできれば、プロセスの一部だけを依頼するなど、個社の状況に応じたカスタマイズが可能です。

そのため、費用は業務内容によって変動します。業務範囲以外にも採用ボリュームや期間などによっても変わるため、「どの程度の費用が必要となるか」は一概にはいえません。同じ業界であっても、他社の事例は参考程度にとどめておくのが無難です。

重要なポイントは以下の3つです。

依頼したい業務内容を明確にする

 └ 業務範囲やボリューム、期間、求める品質など

自社対応した場合と比較し検討する

└ 人員の管理費など見えないコストも鑑みる

RPO事業者の見積条件を確認する

└ 従量課金などもあるため

業務範囲と責任の明確化

業務範囲をカスタマイズできることは、アウトソーシングのメリットではありますが、依頼する範囲と責任は明確にしておく必要があります。あいまいな部分を残してしまうと、思わぬトラブルが起きてしまうこともあります。

採用業務は個人情報を取り扱う場面が多くあります。情報や書類の取り扱いや情報連携などについてもフローをきっちりと決めておきましょう。

また、書類のスクリーニングや面接代行など選考を行う場合、選考基準や募集要項の認識が合っていることが重要です。スクリーニングの精度が低いと感じたら、適宜話し合いすり合わせを行います。任せきりにしたせいで期待した成果がでない、といった事態が起きないように注意しましょう。

社内状況との親和性を見極める

企業には社内ルールが存在します。企業文化的なルールもあれば、セキュリティポリシーなどの規則もあるため、それに従ってもらえるかどうかは大切なポイントです。

また社内の体制や各種書類の管理方法、業務のフローがうまくマッチするかを採用代行ベンダーと確認します。業務開始後にトラブルとならないよう契約前に認識を合わせておきましょう。

アウトソーシングを機に採用フローを見直すケースもあるので、自社にあった採用フローを事業者と共に作ることも検討してみてもよいでしょう。

進捗の定期的な確認とアウトプットの確認

委託といえども、採用状況の進捗は関係者が知っておくべき情報です。定期レポートのチェックやミーティングなどにより、活動内容を確認していくことが望ましいです。

また、アプトプットが期待したものかどうかも特に初期段階ではチェックが必要です。業務を手放し、工数削減などを実現しつつも、要所を抑えて、状況によっては軌道修正をかけることで、理想的な採用活動体系を築くことができます。

採用代行サービスの選び方

①過去の支援実績は豊富か?

豊富な支援実績を持つ企業であるほど、採用におけるノウハウが多く、質の高い支援を受けられる可能性が高いです。過去の実績や事例から信頼性を確認しましょう。また、採用難易度が高い特定の業界や職種の場合は、その領域における実績がどれくらいあるのか事前に確認するとよいでしょう。

②サービスの提供範囲は適切か?

採用代行会社ごとに依頼できる業務内容は異なります。自社が外注したい業務を依頼できるのか、必ず契約前に確認しましょう。また「そもそも採用の進め方がわからない」「どの業務を外注すべきかわからない」という企業の場合、戦略立てから行ってくれる総合型の採用代行会社がおすすめです。

③コミュニケーションは取りやすいか?

採用代行会社とのコミュニケーションは円滑かつ透明であることが重要です。定期的なミーティングで採用プロセスの進捗や結果について共有したり、問題が発生した際には迅速に対処してくれるか確認しましょう。またChatworkやSlackなど自社で利用しているツールが使えると楽です。

④料金体系は明確か?

採用代行サービスの料金体系は主に「月額固定制」と「従量課金制」の2つあります。月額固定制は年間の予算の計画がしやすく、従量課金制は必要な時期だけ依頼できるのがメリットです。 自社に合った支払い方法を見極め、追加料金や隠れたコストがないか、契約内容をよく確認しましょう。

⑤契約条件は柔軟か?

採用活動においては急な計画変更は付きもの。採用ニーズの変動に柔軟に対応できるサービスがおすすめです。具体的には、最低契約期間や解約条件について確認し、最低1ヶ月から必要なときだけ依頼できる、解約は前月までの通達で可能など、出来る限り柔軟性の高いサービスが安心です。

これらの点に注意することで、最適な採用代行会社を選び、効果的な採用活動を実現できます。

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採用代行の成功事例

ここでは実際に弊社の採用代行を利用して、採用活動の改善に成功した企業の事例を紹介します。

A社:不動産業界 従業員数100名未満(新卒)

こちらの企業様では、新卒2名の採用目標を達成するために母集団形成の強化やカジュアル面談を行いたいが、専任の人事担当者が1名もいないため、リソースを割けないことが課題でした。

そこで弊社の採用代行を導入することで、月40時間をダイレクトリクルーティングでのスカウト送信に充てることができ、11名の母集団を獲得。翌月にはカジュアル面談で魅力付けを行い、候補者の意欲を醸成。結果的に2名の採用に成功しました。

B社:技術者派遣業界 従業員数1,000名以上(中途)

こちらの企業様では、期間限定で大量の面接を行う必要がありましたが、年間を通じて安定的な業務があるわけではないので人員を補強するのも難しく、打ち手に困っている状況でした。

そこで弊社の面接代行を導入することで、3カ月間で約1,500件の面接を実施。採用要件のすり合わせを行いながら、大量の面接でも目線を均一化させました。会社の人員を変えることなく繁忙期を乗り切れたことに大変ご満足いただけました。

C社:人材派遣 従業員規模:5000名以上(中途)

大手メーカーで経験を積んできたような、高い技術力のあるエンジニアを採用したい。

ところが、メーカー出身のエンジニアの方に「お客様先に常駐する」働き方のイメージを正しく伝えられておらず、「派遣=雑用的な業務になるのでは?技術を磨いていくのは難しそう」という誤解も多い状態でした。実際は、エンジニアとしてキャリアを積みたい方にとって、様々な職場で幅広くスキルを磨ける魅力的な環境がありました。

正しい情報を認知してもらうため、以下を実施しました。

・年間約250回の説明会代行

・年間約2,000回の面接代行

・常駐でのリクルーター業務

・常駐でのバックオフィス業務

大手企業に所属している安定よりも自分自身の技術・経験を身につけることが「本当の安定」であると説明会代行で啓蒙。

面接においても見極めだけでなく魅力付けを行い、さらに応募者ひとりひとりにリクルーターをつけることにより選考途中での不安を払拭しました。

結果として、年間採用目標人数に対して約120%(目標:170名⇒結果:198名)を達成することができました。

D社:機械業界 従業員数5000名以上(新卒)

大企業ですが、学生に仕事や働く環境の魅力を上手く訴求できず、選考途中での辞退率が非常に高いです。最終面接までの辞退率は30%、全国エリアで採用するためのマンパワーもスキルも不足している状況でした。

また、全国規模で面接を実施しているのですが、すべて社員が出張して対応しているため、出張費がかかっています。さらに、コア業務に集中できないせいで会社としての生産性が下がっていると感じていました。

そこで、下記を実施。

・全国のエリアで年間3,500件以上の1次面接を代行

・人材プロフェッショナルが学生から「選ばれる面接」を実施

・企業の魅力を言語化したマニュアルを企業様と一緒に作成

企業に対し実態とは違った、あまり良くないイメージを持つ学生もおり、払拭する必要がありました。そのためには各選考で接点を持つ担当者が学生に向き合い、本人の価値観に沿った魅力を訴求する必要がありました。

R09のキャリアコンサルタントの資格を持っている人材プロフェッショナルが、本人のキャリアプランまで引き出した上で企業でのキャリアの積み方をお伝えすることで、

最終面接誘導率が大幅にアップしました。

E社:半導体業界 従業員数5000名以上(新卒)

会社としての認知度も低いため、インターンに多くの学生に参加してもらい、自社について知ってもらう必要がありました。しかし、全国規模での採用のため、地方でのイベントやオンライン説明会も開催したいが、手が回らない状況。選考の歩留まりや内定承諾率を上げていきたいが、学生との接点を持てていないままでした。そこで、下記を実施。

・価値観カード(弊社コンテンツ)を用いたインターンシップの実施

・グループワークでは各グループにファシリテーターを配置

・説明会の準備・当日の運営・実施後のフォローの実施

・選考中の学生への面接アドバイス(面談)の実施

・内定者面談の実施(12月に不安払拭、2月にマインドセットの内容)

結果として、インターンシップではオンラインでも出席率90%を達成。コミュニケーションを取りながら進めるインターンシップへの高評価も頂きました。

また全国・オンラインでの説明会実施数を担保することで、母集団を拡大。さらに業界平均と比較しても高い書類選考通過率・内定成約率を達成しました。

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