採用がスピーディーに!ハイアリングマネージャー制度とは【5つのメリットを解説】


採用がスピーディーに!ハイアリングマネージャー制度とは【5つのメリットを解説】

採用担当者の中でホットなワードとして、ハイアリングマネージャーという言葉があります。 

実は上手に活用すれば、採用担当者の負担を軽減することができるだけではなく、採用の質の向上にも繋がる非常におすすめの採用手法なのです。 

通常の採用活動では、どんな部門の採用でも採用担当者や人事部が全責任を負い、ゼロから採用活動を行います。 ハイアリングマネージャーという言葉自体「採用の決裁者」を意味しますので、経理で求人があれば経理部門がハイアリングマネージャーとなり、採用過程の面接官も全て経理部門の現場社員が行う等、通常の採用とは進め方が大きく異なるのがポイントです。 

つまり、ハイアリングマネージャー制度とは、採用の決裁権が求人を出している部門に移動する制度です。

従来の採用手法だと、求人が上がった部門の担当者は一部の面接に参加し、スキルや部門適性の部分を中心に確認する役割が主でしたが、現場の社員が選考から入社まですべての工程で主体となることで、責任感が増し、特に専門職では採用の質が劇的に上がる可能性があるのです。 

入社後に「○○部の風土に合わない」「現場を知らない人が採用するからいい人が来ない」等現場から不満を受けたことがある採用担当者もいるのではないでしょうか? 

現場の社員も真剣であるがゆえについつい言ってしまったことでしょうが、ハイアリングマネージャー制度を導入してその部門に採用の権限と責任を移管することで、そうしたすれ違いによる誤解も少なくなります。

しかし、現場の社員は該当職種のプロですが、採用に関しては不慣れですので採用担当者や人事部は採用に関するアドバイザーという役割で採用活動にかかわることになります。 

今回は、話題のハイアリングマネージャー制度のメリットやその活用術についてご説明していきます。  

ハイアリングマネージャー制度のメリットとその活用術

 

まず、ハイアリングマネージャー制度のメリットについてお伝えしていきましょう。 

①採用担当者の業務負荷の減少

一番わかりやすいメリットかもしれませんが、ハイアリングマネージャー制度を導入すると採用の権限が他部門に移動するので、求人の度に複数の部門や担当者に割り振られます。 
採用担当者は各部門に採用の基本的な進め方のレクチャーや会社全体の採用活動の管理をすることによって、個々の採用活動に忙殺されることなく一段上の視座から人員戦略を考える時間を創出することができます。 

②質・満足度の高い選考を提供することができる 

ハイアリングマネージャー制度は社内だけではなく、求職者にとってもメリットの多い採用手法です。 
入社後、業務上で直接の関わりが少ない人事担当者ではなく、現場の社員と接することによって、風土を肌で感じることができますし。働く環境や仕事について具体的な話を聞き、入社後の自身をイメージすることができるようになります。

③採用活動がスピーディーになる

採用はタイミングが重要です。
質・満足度の高い選考を提供することができる、という部分と関わるのですが、特に専門職の採用においては人事担当者がその場で答えられない質問をされる事が予測されます。 
該当職種の社員が面接をすれば、質問を持ち帰ることなく求職者の質問にはその場でどんどん答えて志望度を一気に上げることができます。 
同時選考されている他社に先駆けて「この会社で働きたい!」と思ってもらい、意思を固めてもらう必要があるのです。 

④現場に育成の意識と定着へのこだわりが高まる 

ハイアリングマネージャー制度を導入するとたくさんのメリットがありますが、同時に現場の社員にとっては、通常業務に加えて採用活動を行うわけですから負荷が増えます。

これまで人の補充に関しては人事にお任せだった状態から、一緒に働く人を自分達で見つけて採用するという変化は、現場の社員の風土改善や人材育成の意識を変える意味でも有効です。 
風土が合わない等の理由で退職に至った場合、今までなら「しっかり見て、合う人を連れてきてよ」と思いがちですが、自分たちが採用・教育した人が辞めてしまうというのは彼らにとってもショックです。 

採用や教育に当事者意識を持ってもらうことで、自らを振り返り、成長する良いきっかけにもなるのです。

⑤現場と人事との距離が近くなる 

採用活動の最初から現場を巻き込むことによって、採用担当者や人事部は必然的にその部門の事をよく知ることになります。 
どのような仕事をしているのか、日頃からどんな悩みを持っているのか等、現場でしか知り得ない情報を見聞きすること、また何度も打ち合わせをすることにより徐々に人事部との距離が縮まります。

「人事部」というと、多くの企業では関わりを持ちたいようなあまり関わりたくないような微妙な位置づけの部門かもしれません。しかし、日頃から人事部に現状を伝え、いい距離感を保っておくことによって一次情報が入って来やすくなり、対処もしやすくなるという双方にとってメリットとなることも多いのです。 

ハイアリングマネージャーと採用担当の役割はどう分ける?

従来の採用方法と異なり、人事部は採用アドバイザー的な役割になりますので適性検査の分析等を含めた採用戦略の見直しや、入社後の研修の充実、その他社員の満足度を上げる仕事に集中することができます。
また、現場の社員に採用にかかわってもらうことによって「採用は人事がするもの」という当事者でありながら、どこか他人任せの感覚から脱することによって、風土が改善される可能性があるというのは前述の通りです。

採用は自分たちの仕事に直接かかわるもの、という意識を持ってもらうことによって働く事や仕事について考えてもらうきっかけとすることができるのです。 

ハイアリングマネージャー制度自体は元々外資系の企業でよく見られる制度でしたが、売り手市場による採用難が続く状態を打破する手法として日本の企業でも導入されつつあります。 
売り手市場の継続は今後も長く続くことが予想される中、人事のみで採用活動を全てまかなう、というのはそろそろ限界を迎えているのです。 

採用活動に手詰まり感を感じている人は是非ハイアリングマネージャー制度の導入を検討してみてはいかがでしょうか? 

いきなり他の部署を巻き込むのはハードルが高い、どのようにすればいいのかわからない方は、是非一度我々アールナインにご相談下さい。

貴社に最適な解決方法がハイアリングマネージャー制度の導入なのか、それとも他の方法で改善できるのか?経験豊富な弊社がお悩みに応じた解決方法をご提案させていただきます。

ryo-nagai

この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。