部下が指導を聞かない理由と6つの対処法
一日の多くの時間を費やす仕事を、やりがいを持って、楽しく過ごしたい、というのは誰しもが思うことです。やりがいは本人の目標や心がけである程度維持できるかもしれませんが、楽しくというのは外的要因で大きく左右されるので注意が必要です。
つまり、「人間関係」です。
同僚との関係はもちろんですが、上司と部下の関係は楽しさと同時に仕事のやりやすさを左右する重要な要因となり得ます。
同僚とは、時に友人の様に楽しく食事したり、愚痴を言い合うこともあるかもしれません。しかし上司は仕事で指示を受けたり、報告したりする機会が多いことに加えて、評価者です。だからこそ、良い関係が築けなかった場合、仕事がやりづらくなってお互いに大変な思いをします。
部下は部下で、やりづらい上司だとなかなか心を開けないでしょうし、そんな部下の思いを感じればこそ上司もどのように接したらいいのかわからず、困惑します。お互いに気を使って距離を取りすぎると、本音で議論できず、仕事に支障をきたします。「部下とどう接すればいいのかわからない」「部下が考えていることがわからない」と悩む上司も少なくないはずです。
今回は「上司と部下のコミュニケーション」について、ポイントを解説していきたいと思います。
上司から部下にコミュニケーションをとる4つの方法
実は、「部下とどう接すればいいのかわからない」「部下が考えていることがわからない」という上司の悩みは昔からあるもので古くて新しい課題です。
特に最近はコミュニケーション出来ない社員が増えているような気がしませんか?メールやSNS、LINE等の活用で、直接話さなくても、意思を伝えることもできますし、フリーランス、リモート勤務等、働き方も多様化しています。昔ほど、密なコミュニケーションが必要とされなくなってきているのです。
過去の詰め込み教育ではなく、主体性を培う教育を受けて育った若手~中堅社員と、「先輩や上司の言う事は絶対」というある意味わかりやすく、考える必要がなかった世代を生きて来た管理職達…
どちらが悪いというのではなく、価値観の違いとしてお互い認め合い、歩み寄る必要があるのです。
部下とはよく話しているのでコミュニケーションは大丈夫!と思っているあなたも今一度自分のコミュニケーションの取り方を見直してみませんか?
コミュニケーションはお互いが考えを伝え合う双方向の情報交換です。部下の考え、自分の考えをキャッチボールして、時に議論し、最適案を見出していく、それが正しいコミュニケーションです。
上司から一方的な意思伝達は、コミュニケーションではなく「命令」または「プレゼンテーション」です。プレゼンテーションは一度に多くの人に同じ情報を伝えるためのものであって、そこにコミュニケーションはありません。また、上司の一方的なプレゼンテーションは、「頼りがいのある上司」と思ってもらえる時もあれば「命令ばかり」と思われて、部下のやる気を奪います。
では、具体的にどのように上司から部下へコミュニケーションしていけばいいのでしょうか?
結果だけではなく過程も見る
高圧的な上司の特徴の1つとして、結果しか見ない上司がいます。そのタイプの上司は自分と同じレベルの成果を求めるので、いつも部下に怒っています。
あまりに続くと、部下は反省ではなく、「じゃあ自分ですればいいのに」と思ってしまい、聞く耳を持っていない状態になります。
上司と部下は、そもそも経験が違うので、同じレベルの成果物を求めても難しいことがほとんどです。部下を育て、納得いく成果物を得るためには、部下の仕事の過程を見て伴走する意識を持つことが大切です。
考え方の背景を理解する
自分の価値観を押し付けない、ということも部下と良質なコミュニケーションをする上で重要なポイントです。
意見の相違や価値観や経験、着眼点の違いが原因であることがほとんどで、その背景を理解するように「なぜそう思ったの?」と聞くことを心がけましょう。
飲み会上司にならない
部下とコミュニケーションが出来ていないと思うと、すぐ「飲みニュケーション」をしようとする上司がいます。
関係性が出来ているからこそ飲み会も楽しいわけであって、コミュニケーションが出来ていない上司との飲み会は部下にとって苦痛でしかありませんし、最近はお酒を飲まない若者も増えてきている、という世の中の流れも考慮しましょう。
意見を求める
中には、なかなか上司に意見を言えない部下もいます。時には、意見を求めましょう。
もし思っていた答えではなかったとしても、「なるほど、じゃあこういう場合はどうかな?」と否定せずに議論をリードすることで、部下は意見を求められた、という満足感と上司と議論出来たという自分の成長を感じることができ、もっと上司に相談したい、議論したいと思ってくれるようになります。
どうしても部下と気が合わないときはどうしたらいい?
人間同士ですから、様々なコミュニケーションの方法を試してみてもどうにもならない、これは「気が合わない」としか言いようがない、ということもあるでしょう。手を尽くして、どうしても分かり合えないのであれば、そういう相手だったと割り切ることも大切です。その場合は
肯定も否定もせず、受け流す
合わない時はことごとく合わない、何も合わない、ということがあります。意見が間違っていても、それを伝えても響かない、関係性を悪化させるだけ、と思うのであれば肯定も否定もせず受け流すことです。無駄な議論はお互いを疲弊させるだけですので、仕事は仕事と割り切って必要最低限のコミュニケーションにとどめておきましょう。
良い所を探して認める
どんなに気が合わない人でも、1つや2つは自分が持っていないこと、尊敬できることがありますし、意識して良い所を見つけることが大切です。そして、良いと思ったら意識して褒めましょう。
褒められて嫌な気持ちになる人はいませんし、褒められたことであなたに対する意識も変わり、コミュニケーションが変化するかもしれません。
それでもあきらめない!上司として持つべき意識のススメ!
世代も育ってきた時代も異なる年の離れた部下や、どうしても合わないタイプが部下に来た場合はやりづらいことも多いでしょう。職場での人間関係は、パフォーマンスを上げる上でも大切なことですが、そればかりに心を砕くようなことでもありません。ダメな時はダメと割り切って接することも必要ですが、それでもあなたの部下であることを忘れてはいけません。
部下の成長は上司にかかっています。
上司が部下を選べないのと同様に部下も上司を選べません。あの人の部下になったせいで、損をした、時間を無駄にした、と思われないように上司として指導すべき所はしっかり指導していきましょう。
部下とのコミュニケーションや社内の教育にお悩みであれば、是非一度我々アールナインにご相談ください。
経験豊富なスタッフがお客様の、お悩みに合わせたソリューションを提供させていただきます。
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この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。