【新卒】内定承諾後の辞退を防ぐポイント | 調査で分かった本音の辞退理由とは


【新卒】内定承諾後の辞退を防ぐポイント | 調査で分かった本音の辞退理由とは

内定承諾をしたあとに辞退する学生が多くて、悩んでいませんか?

いま、一度内定承諾をした学生が一転して内定を辞退する「承諾後辞退」が大きな問題になっています。

最近では4人に1人の学生が複数社からの内定を承諾していると言われていて、入社日まで安心できません。

この記事では

・学生が内定辞退する理由
・効果的な対応策
・具体的な事例

について紹介いたします。

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【24卒】内定辞退の現状

株式会社リクルートの就職みらい研究所の調査によると、2024年卒の学生の就職内定辞退率は64.3%。過半数の学生が内定辞退を経験していることがわかりました。(2024年卒 12月1日時点)

直近3年の同じデータを比較してみると、
2021年卒:60.9%
2022年卒:62.4%
2023年卒:64.6%
2024年卒:64.3%
と年々増加傾向にあることがわかります。

この6割以上の学生はどのような理由で内定を辞退しているのでしょうか。詳しくご紹介します。

参照:)株式会社リクルート『就職みらい研究所』

内定を辞退する理由7選

計600社以上の人事の課題と向き合ってきた株式会社アールナインが実施しているサービス「内定辞退者調査」で、アンケートではなく面談で引き出した内定辞退者の本音から、辞退理由を抜粋して紹介します。

1.実はまだ他社の選考を受けていた

1つ目は、実はまだ他社の選考を受けていたパターンです。就職活動では受験と同じように「滑り止めで受ける」「選考の練習のために受ける」といった考えで選考に進む学生は多いです。

また、1度内定を貰ってしまえば安心材料として他社の選考を続けていたとしても承諾してしまう学生も少なくないのではないでしょうか。

学生の内定取得企業数も年々増加傾向にあり、2社以上の内定を取得している学生は

23卒:40.2%
24卒:45.5%
25卒:48.8%

となっております。

参照:)株式会社リクルート『就職みらい研究所』

2.親からの反対があった

2つ目は本人の志望度は高かったが、親から反対されたという理由です。

選考を実際に受けていない親からすれば、どれだけ雇用条件がよかったとしても企業のネームバリューが低かったり、事業内容が不透明であったりとさまざまな不安要素が生じます。

特に中小企業になるほど、「本当に安定している会社なのか?」と気にされる保護者も多いので、選考中に学生には保護者に自社の選考について話しているか確認を取るといいでしょう。

3.企業のことがよくわからないまま内定まで進んでしまった

3つ目は、企業への理解度が低いまま内定まで進んでしまったという理由です。

選考の中で、学生を見極めることを重視しすぎるあまり、学生の会社への理解を深めたり、魅力を伝えることが疎かになってしまうことがよくあります。

応募者自身が貴社で働くことに納得感を持ち、入社を選べるよう、応募者が必要とする情報をきちんと提供することが大事です。その学生が会社・仕事を選ぶ基準を把握し、自社の情報を正直に話しましょう。

4.選考時のイメージと、内定承諾後に伝えられたことに大きくギャップがあった

4つ目は選考時のイメージと内定承諾後に伝えられたことに大きくギャップがあったという理由です。

選考中では学生が聞きづらかった具体的な雇用条件について学生に伝えると、「想像より残業が多い」「雰囲気が悪い」といったマイナスのイメージが新たに生じてしまうことがよくあります。

選考時には良いところだけ伝えるのではなく、実態に近い情報を発信しておくことで、このギャップを埋めることができます。

5.入社後のイメージが湧かなかった

5つ目に具体的な入社後のイメージが湧かなかったという理由があります。

「結局は実際に働いてみないとわからない」といえばそうですが、学生は入社にあたって多くの不安を抱えています。

承諾前には「承諾後に実務について少しづつ理解を深められるかもしれない」と思っていても、その後の研修や面談で一向に働くイメージが湧かなかった場合、承諾後の辞退に繋がりやすくなります。

6.ネットで良くない評判・口コミを見てしまった

6つめに、ネットで良くない評判・口コミを見てしまったからという理由があります。

今の時代、インターネットを利用すれば様々な情報に触れることができます。最初は第一志望の企業であったとしても、その企業で働いていた人の実体験や、過去の炎上について知ってしまった際に、入社志望度が下がってしまうことがあります。

面接中に自社の魅力をしっかりと伝え、入社意欲を可能な限り高めておきましょう。

7.実は志望度が高くなかった

最後に、そもそも志望度があまり高くなかったという理由です。

そこまで志望度が高くなくても「なんとなく1次選考が通ったから」、「面接やグループディスカッションの練習をしておきたいから」というような理由で選考を進んでしまう学生も少なくありません。

近年はダイレクトリクルーティングの浸透により、志望業界ではない会社でもスカウトされたからという受動的な理由で選考を受ける学生も多いようです。

最終的に内定承諾をする気がなくても、「とりあえず内定は貰っておきたい」という想いから面接の中で「御社が第一志望です。」と答えることもあるので注意が必要です。

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内定辞退を減らす【14のコツ】

続いて、内定辞退を減らすコツについて解説いたします。

辞退要因にあった適切な対策をとれば、内定辞退は減らすことができます。

重要なポイントを順番に解説していきますので、しっかりと押さえていきましょう。

1.内定者1人1人を理解する

内定辞退を減らすためには、内定者11人を理解することが大切です。

内定者フォロー施策では、懇親会やグループワークなども有効ですが、内定者という1つのグループで見るのではなく、個人個人を理解することが大切です。

内定者1人1人と向き合うことを忘れないようにしましょう。

株式会社アールナインが開発した内定者パルスサーベイツール「PEPS」では、月1回の簡単なアンケートで内定者の気持ちの変化や兆候を独自のスコアで算出することで、内定者の状態を可視化することが出来ます。

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2.間を空けず定期的に連絡をとる

内定者の自社への興味を下げないためには、定期的に連絡をとることが重要です。

入社までの期間に、スケジュールの共有や社内報の案内などを通して頻繁に連絡をとりましょう。内定者とコミュニケーションを活発にとることで、自社への興味を高めることができます。

3.会社の理念や価値観を共有する

企業理念や価値観などを共有し、会社の方向性や在り方を示していくことも、内定者の入社意欲を高めるために必要です。

「自分が入社する会社はどのような会社か」というのは多くの内定者が興味を示すことです。

自社で働くことを誇りに思えるよう、しっかりと自社の考えを発信していきましょう。

4.業務について詳しい説明をする

実際に携わる業務について理解することで、入社後のイメージが鮮明になってきます。

業務内容に関して、面接時は一部しか伝えられないことも多いため、内定者フォロー施策としてより詳細な業務の説明をしていきましょう。

実際にインターンなどで業務体験の機会を作るのもよいでしょう。

5.内定者同士の関係性を深めるサポートをする

内定辞退を減らすためには、内定者同士の関係性構築も重要です。

内定者フォロー施策として内定者交流会などを企画し、内定者のプロフィールや共通点などを共有できる機会を作りましょう。

また、専用SNSグループチャットなど内定者同士がオンラインで交流できる場を作ってあげるのも良いでしょう。

内定者同士の絆が深まることで、入社意欲も高まってきます。

6.模範となる先輩社員との交流機会を設ける

優秀な成果を出す社員との交流機会を設けることも、内定辞退を防ぐ施策の1つです。

自分が目指すべき道が見えることで、入社後のイメージも強くなりモチベーションも高まります。

成果を出している先輩社員との座談会や業務見学などの機会を設けてあげましょう。

7.社長や役員との面談を行う

社長や役員と面談を行うのも、内定辞退を防ぐために有効な方法です。

企業のトップがどのような人物で、どういった考えを持っているのかは気になるものです。企業のトップと面談をおこなうことで、身が引き締まり、入社後のモチベーションも高まります。

8.内定者へフィードバックを行う

定者研修やグループワークなど様々な内定者フォロー施策を実施した後は、フィードバックもセットで行うようにしましょう。

内定者が企画に参加するだけでは、一方通行のコミュニケーションとなり、手応えを感じることはできません。

内定者のパフォーマンスに対してフィードバックを行うことで、次の課題を見つけたり、自分の自信にもつながります。

9.内定者個別の目標設定をする

内定者全員に課題を課すことはあるかもしれませんが、個別の目標設定も行うとより効果的です。

内定者自身が「3年後どんな自分になっていたいか」など自社で働くイメージや自分の将来像を抱くことができれば入社後の大きなモチベーションとなります。

個人面談を通して、内定者の進みたい方向性をヒアリングし、企業の方針と内定者の進みたい方向性が一致する目標設定をしていきましょう。

10.専用SNSでコミュニケーションを活性化する

内定者同士や、企業と内定者との情報交換のために専用SNSを活用するのも効果的です。

社内の情報をオープンにして共有することで、自社の理解を深めることができます。また、専用SNS内で交流の場を作れば、内定者同士の親睦を深めることも可能です。

11.チームで協働する機会を作る

内定者フォロー施策には、グループワークのようなチームで協働する機会を作ることも必要です。

グループワークを通して組織での働き方を学び、仲間との絆を深めることができます。

12.意欲のある分野の学びをサポートする

通信教育やeラーニングなどを通して、内定者自身が意欲のある分野の学びをサポートすることも大切です。

自身が意欲を持つ分野であれば、高いモチベーションで学習を継続できます。自己を高めることで、入社前に抱く業務への不安を減らすこともできるでしょう

13.内定式で入社への実感を高める

内定式も内定辞退を減らすための1つの施策です。

内定式は、企業が内々定を出した学生に正式に内定通知を渡すイベントです。内定式には社長や役員なども出席し、内定者が入社することを強く実感する機会となります。

内定式の中で、入社承諾書(内定承諾書)を提出することで、正式な入社意思を固め気を引き締めることができます。

14.内定辞退者の辞退理由を知る

内定辞退者が出てしまった場合は、残念がっているだけではもったいないです。

その方が辞退をしてしまった理由こそが、自社の採用における本質的な課題だったという場合もあります。

内定を辞退する学生が複数いれば、一定の傾向が見えてくることもあるかもしれません。

ただ、アンケートでは最低限のことしか書かない場合や、社員が聞いても本音を言わない可能性もあります。

より効果的な調査をしたい場合は、外部に委託するのが良いでしょう。

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内定辞退防止の事例

ここまで、内定辞退率を下げるための一般的な取り組みをご紹介してきました。では、実際の企業はどのような辞退防止策を打っているのでしょうか。具体的な企業の成功事例をご紹介します。

マルホ株式会社

マルホ株式会社では内定者専用の情報発信サイトを開設するといった内定者の手厚いフォローを行っています。

サイトでは業務や入社後の生活に関するさまざまな情報が公開されています。詳しい制度の情報など働くうえで知りたい情報を開示し、内定者が安心して入社できるような環境整備を行っています。

クックパッド株式会社

クックパッド株式会社では内定者同士のコミュニケーションを図る目的として内定者研修でトランプカードを使用したワークを実施しています。

内定者だけでなく、内定者と年齢の近い先輩社員も参加しており、相談しやすい社員との交流の場としても役立っています。

トランプカードには「クリエイティブに働く」「同僚同士で評価し合う」などのキーワードが書かれていて、自分が重要だと思う価値観のキーワードを選んでいくゲームです。このような手軽なワークを導入することで、会話のきっかけを作ったりチームワークを育てたりができます。

株式会社ニトリホールディングス

株式会社ニトリホールディングスは2019年より、内定者フォローの一環として「エンプロイージャーニーマップ」を導入しています。

エンプロイージャーニーマップとは従業員が入社してから退職し、OB・OGになるまでの道のり(エンプロイージャーニー)を見える化した図のことです。

入社後に達成したい目標やビジョンを具体的に描き、そのためにどのような業務を通して成長していくかを内定者に可視化してもらうことを目的としており、社員の自律性やキャリア構築といった会社の魅力を伝えるとともに、入社意欲を高めることに成功しています。

※細かい事例については以下の記事で解説しています。
【必見】内定辞退を防ぐ内定者フォロー事例17選!Z世代の学生に刺さる施策を紹介!

内定辞退の対策には、「内定辞退者調査サービス」が効果絶大

内定辞退を減らすためには、「内定辞退者調査サービス」の活用も外せない施策です。

内定辞退者調査サービスでは、アンケートや社員のヒアリングでは引き出しづらい「本当の辞退理由」を引き出しやすくなります。

アンケートでは理由の深堀りがしづらく、表面的な理由や、本音でない理由しか分からないこともあります。

社員のヒアリングでは、気まずさもあり本音を話してくれることは稀でしょう。

内定辞退者調査サービスとは

内定辞退者調査サービス(または内定辞退者インタビュー)とは、内定を辞退した候補者に対して第三者がヒアリングを行い、本音の辞退理由を引き出すサービスです。

内定辞退者調査サービスでは、内定辞退の原因・理由が自社で行うよりも正確に分かる可能性が高くなります。

採用時期によって内定辞退の理由はさまざまですが、少しでも内定辞退率を下げるためには、企業について知ってもらうことはもちろん、企業も学生を知ることが大切です。

また、内定辞退率を低下させるには、学生の本音の辞退理由を引き出し、それをもとにした対策を講じることが大切です。

私たち人事が必死に頭を悩ませて改善策を考えることも必要ですが、それが学生のニーズに沿った改善策でなければ、むしろ逆効果になりかねません。

とはいえ、学生が内定を辞退するときに、人事に対して本音の辞退理由を話すことは稀です。

あなたもこれまでアルバイトや企業を辞める際には、穏便に退職したいという思いから、本当は人間関係や仕事内容が不満で辞めるのに「学業が忙しくて」「家族の都合で」など、当たり障りのない本音ではない理由を伝えたことがあるのではないでしょうか。

利害関係のない第三者がヒアリングを行うことで、本音を引き出し、理由を深堀りできる可能性が高くなります。

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まとめ

今回は、内定辞退が減らない要因、内定者の悩み、内定辞退を減らすコツなどについて解説いたしました。

採用時期によって内定辞退の理由はさまざまですが、少しでも内定辞退率を下げるためには、企業について知ってもらうことはもちろん、企業も学生を知ることが大切です。

また、内定辞退率を低下させるには、学生の本音の辞退理由を引き出し、それをもとにした対策を講じることも大切です。

私たち人事が必死に頭を悩ませて改善策を考えることも必要ですが、それが学生のニーズに沿った改善策でなければ、むしろ逆効果になりかねません。

もし、自社の内定辞退の要因が明確ではない場合、アールナインの「内定辞退者調査サービス」にて、本質的な課題解決をしっかりサポートいたします。どうぞお気軽にご相談ください。

また、株式会社アールナインの内定者パルスサーベイツールPEPSは、月1回の簡単なアンケートで内定者の気持ちの変化や兆候を独自のスコアで算出することで、内定者の状態を可視化することにより効率的な内定者フォローを実現します。内定辞退・内定者フォローにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。