フリーランスによる採用代行とは?メリット・デメリットと法律関係の注意点を解説
公開日: 2026年01月22日 | 最終更新日: 2026年07月07日

採用活動におけるリソース不足やノウハウ不足は、多くの企業が抱える課題です。その解決策として採用代行サービスが注目されていますが、「企業に頼むほどの予算はない」「特定の業務だけ手伝ってほしい」という声も少なくありません。そこで新たな選択肢として浮上しているのが、フリーランスへの採用代行依頼です。
本記事では、フリーランスに採用代行を依頼するメリット・デメリットから、最も注意すべき法的なポイント、費用相場まで詳しく解説します。
フリーランスの採用代行とは?
フリーランスの採用代行とは、企業に所属しない個人が、業務委託契約などにもとづいて企業の採用活動を支援するサービスです。
従来、採用代行はRPO会社や人材系企業に依頼するのが一般的でした。しかし近年では、採用担当者や人事経験者、元人材紹介会社のキャリアアドバイザーなどがフリーランスとして独立し、企業の採用業務を支援するケースも増えています。
フリーランスの採用代行に依頼できる業務は、求人票の作成、スカウト文面の作成・送信、応募者対応、面接日程調整、採用媒体の運用、候補者フォローなどさまざまです。採用業務のすべてを任せるというよりも、「スカウト送信だけ依頼したい」「日程調整の工数を減らしたい」「採用担当者のリソース不足を補いたい」といった形で、採用業務の一部を切り出して依頼するケースが多い傾向にあります。
法人の採用代行サービスと比べると、フリーランスは比較的柔軟に依頼しやすく、費用を抑えやすい点が特徴です。一方で、対応できる業務量や支援品質は個人の経験・スキルに左右されやすく、急な稼働変更や担当者変更に対応しにくい場合もあります。
そのため、フリーランスの採用代行を活用する際は、依頼したい業務範囲や契約内容、情報管理のルールを事前に明確にしておくことが重要です。採用業務の一部を効率化したい場合はフリーランスへの依頼が向いていますが、複数職種の採用や採用全体の設計・運用改善まで任せたい場合は、法人の採用代行サービスもあわせて検討するとよいでしょう。
フリーランスに依頼できる採用代行の業務内容
フリーランスに依頼できる業務は多岐にわたりますが、特に専門性や経験が活かせる業務で多く活用されています。ただし、後述する法的な制限により、依頼できない業務もあるため注意が必要です。
採用戦略の立案や採用計画の策定
どのような人材を、いつまでに、何人採用するのかといった採用計画の策定や、市場の動向を踏まえた採用戦略の立案をサポートしてもらえます。
経験豊富なフリーランスであれば、企業の現状をヒアリングし、最適な採用手法を提案してくれるでしょう。
求人媒体の選定と求人票の作成
数多く存在する求人媒体の中から、ターゲットとなる人材に最も響く媒体を選定し、候補者の応募意欲を高めるような魅力的な求人票を作成する業務です。
職種ごとの特性や最新のトレンドを理解しているフリーランスの力は、母集団形成において大きな助けとなります。
ダイレクトリクルーティングでのスカウト業務
企業が候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングにおいて、候補者の選定からスカウト文面の作成、送信までを代行してもらえます。
特に、スカウトの返信率を高めるためのノウハウを持つフリーランスは、採用の成功に直結する重要なパートナーとなり得ます。
書類選考や応募者対応
多数の応募があった際の書類選考や、応募者からの問い合わせ対応、面接日程の調整といった煩雑なオペレーション業務も依頼可能です。
これらの業務を委託することで、社内の採用担当者は面接などのコア業務に集中できます。
カジュアル面談や一次面接の代行
企業の採用担当者に代わって、カジュアル面談や一次面接官を担当してもらうことも可能です。候補者のスキルや経験を見極めるだけでなく、企業の魅力を伝え、候補者の入社意欲を高める役割を担います。ただし、最終的な合否判断は企業側が行う必要があります。
採用代行をフリーランスに依頼する3つのメリット
フリーランスへの依頼は、特にスタートアップや中小企業にとって多くのメリットがあります。ここでは主な3つのメリットを紹介します。
メリット1:採用代行会社に比べてコストを抑えやすい
フリーランスは個人で活動しているため、法人である採用代行会社のようなオフィス費用や管理部門の人件費といった間接コストが少ない分、依頼費用を抑えられる傾向にあります。
採用に多くの予算を割けない企業にとって、コストパフォーマンスの高さは大きな魅力です。
メリット2:依頼する業務範囲の自由度が高く柔軟性がある
「今月はスカウト送信を100件お願いしたい」「このポジションの採用が決まるまでサポートしてほしい」など、企業の状況に合わせて依頼内容を柔軟にカスタマイズできます。
採用代行会社のパッケージプランでは対応が難しい、ピンポイントな業務依頼にも対応しやすいのが特徴です。
メリット3:特定分野の専門知識を持つ人材を見つけやすい
フリーランスの中には、ITエンジニア採用の専門家、スタートアップの幹部採用に特化した経験を持つ人など、特定の分野で高い専門性を持つ人材がいます。
自社の採用課題に合致したスキルを持つフリーランスを見つけることができれば、即戦力として大きな成果を期待できます。
採用代行をフリーランスに依頼する際のデメリット
多くのメリットがある一方で、フリーランスへの依頼には特有のデメリットや注意すべき点が存在します。事前に理解し、対策を講じることが重要です。
デメリット1:依頼できる業務に法的な制限がある
フリーランスに依頼する上で最も注意すべき点です。職業安定法により、許可なく「職業紹介」を行うことは禁じられています。
そのため、フリーランスが企業の代理として候補者と直接金銭の交渉を行ったり、成功報酬型の契約で人材を紹介したりすることは違法となる可能性があります。
デメリット2:偽装請負と見なされるリスクがある
業務委託契約であるにもかかわらず、企業がフリーランスに対して具体的な指揮命令を行っていると「偽装請負」と判断されるリスクがあります。
偽装請負は違法行為であり、労働時間や業務の進め方について、企業側が細かく指示することは避けなければなりません。
デメリット3:マネジメントの工数が発生する
フリーランスは外部のパートナーであるため、業務の進捗確認や情報共有など、円滑に連携するためのマネジメントが必要です。
依頼内容が曖昧だったり、コミュニケーションが不足したりすると、期待した成果が得られない可能性があります。社内に、フリーランスとの連携を担当する窓口を設ける必要があります。
デメリット4:採用ノウハウが属人化しやすい
フリーランスに業務を任せきりにしてしまうと、採用活動のノウハウが個人に集中し、社内に蓄積されないという問題が生じます。
契約が終了した途端に、採用活動が立ち行かなくなる事態も考えられます。定期的なミーティングでノウハウを共有してもらうなど、情報資産を社内に残す工夫が求められます。
フリーランスの採用代行を活用できるサービス・プラットフォーム
フリーランスの採用代行を活用する際は、人事・採用領域に強い人材が登録しているプラットフォームやサービスを利用する方法があります。
SNSや知人紹介で直接フリーランスを探すこともできますが、スキルや実績を見極めるには一定の手間がかかります。また、依頼後の進行管理や品質管理、急な稼働変更への対応などを自社で行う必要がある点にも注意が必要です。
そのため、フリーランス人材の専門性を活かしながら、法人としての管理体制も重視したい場合は、採用代行会社や人事領域に特化したサービスの活用も検討するとよいでしょう。
ここでは、フリーランスや副業人材、採用のプロに依頼できる代表的なサービスを紹介します。
人事ライト
人事ライトは、株式会社アールナインが提供する採用代行サービスです。
貴社専任のアールナイン社員がプロジェクト責任者となり、実務を担当する業務委託パートナーとチームを組んで採用活動を支援します。フリーランス人材の専門性を活かしながら、進行管理や品質管理はアールナイン側で行うため、企業側のマネジメント工数を抑えやすい点が特徴です。
アールナインには約1,500名の業務委託パートナーが在籍しており、採用職種や課題に応じて適した人材をアサインできます。たとえば、エンジニア採用に強いリクルーター、学生との面談経験が豊富な担当者、候補者フォローに強い人材など、自社の採用課題に合わせた支援体制を組むことが可能です。
フリーランスに直接依頼する場合、個人のスキルや稼働状況に依存しやすく、急な体調不良や契約終了によって採用活動が止まってしまうリスクがあります。人事ライトでは、プロジェクト責任者が採用活動全体を管理し、必要に応じて別のパートナーへ引き継げる体制を整えているため、属人化を防ぎながら安定した運用を目指せます。
フリーランスの柔軟性や専門性を活かしつつ、品質管理や進行管理、バックアップ体制も重視したい企業に向いているサービスです。
coachee 法人向け人事シェア採用
coachee 法人向け人事シェア採用は、採用課題に応じて人事のプロフェッショナルを紹介するサービスです。
採用戦略の見直しや採用実務の支援など、企業の状況に合わせて即戦力人材を活用できる点が特徴です。新卒採用や中途採用、採用手法の設計、SNS運用など、幅広い領域の支援を相談できます。
採用担当者が不足している企業や、社内に採用ノウハウが十分にない企業にとって、必要なタイミングで外部の専門人材を活用できる点はメリットといえるでしょう。
core scout
core scoutは、エンジニア採用に強みを持つ採用支援サービスです。
エンジニア採用では、候補者の経験やスキルを理解したうえで、適切な求人内容やスカウト文面を設計する必要があります。core scoutでは、採用状況をデータで可視化し、募集要項やスカウト内容などの改善を行いながら採用活動を支援します。
特に、エンジニア採用の母集団形成やスカウト運用に課題がある企業に向いています。候補者選定やスカウト文面の質を高めたい場合にも、検討しやすいサービスです。
CORNER
CORNERは、人事領域のプロフェッショナル人材を活用できるサービスです。
採用だけでなく、労務や組織開発、人事制度設計など、人事領域の幅広い課題に対応している点が特徴です。採用支援では、中途採用や新卒採用における母集団形成、選考対応、内定者フォローなど、企業の課題に応じた支援を受けられます。
採用業務の一部を切り出して依頼したい企業はもちろん、人事領域全体の課題を外部人材の知見を借りながら解決したい企業にも向いています。
採用代行サービス「人事ライト」はフリーランス×社員のハイブリッド型
株式会社アールナインの提供する採用代行サービス「人事ライト」は、特定の個人に依存するのではなく、貴社専任の「アールナイン社員(プロジェクト責任者)」と、実務を行う「業務委託パートナー(採用のプロ)」がチームを組んで支援する体制をとっています,。
このハイブリッド型には、以下のような3つの大きな特徴があります。
1. マネジメント工数「ゼロ」で、プロの技術を活用
フリーランスに直接依頼する場合、依頼内容の整理や進捗確認、納品物のチェックなどを企業側で行う必要があります。採用担当者のリソースが限られている場合、採用業務を外部に依頼したにもかかわらず、管理工数がかかってしまうケースもあります。
人事ライトでは、アールナイン社員がプロジェクト責任者として窓口に立ち、業務設計や進行管理、品質管理を行います。そのため、企業側は実務担当者を細かくマネジメントする必要がなく、採用活動全体をスムーズに進めやすくなります。
2. 1,500名以上のプロフェッショナルから適任者を選定
フリーランスに直接依頼する場合、支援の質や得意領域は、その個人の経験・スキルに左右されます。たとえば、エンジニア採用に強い人材もいれば、新卒採用や面接代行、候補者フォローに強い人材もいます。
アールナインには約1,500名の業務委託パートナーが在籍しており、採用職種や課題に応じて適した人材をアサインできます。エンジニア採用に強いリクルーター、学生との面談経験が豊富な担当者、候補者フォローに強い人材など、自社の採用課題に合わせた支援体制を組める点が特徴です。
3. 「属人化」を防ぎ、安定した運用とノウハウ蓄積を実現
フリーランスへの直接依頼では、担当者の急な体調不良や契約終了によって、採用活動が止まってしまう可能性があります。また、業務の進め方や候補者対応のノウハウが担当者個人に偏ると、契約終了後に自社内へ知見が残りにくい点にも注意が必要です。
人事ライトでは、プロジェクト責任者が採用活動全体を管理するため、特定の個人に業務が属人化しにくい体制を整えています。実務担当者の変更が必要になった場合でも、別のパートナーへ引き継げる体制があるため、採用活動を止めずに安定して運用しやすくなります。
フリーランスの柔軟性や専門性を活かしながら、品質管理や進行管理、属人化のリスクも抑えたい企業にとって、人事ライトは有効な選択肢といえるでしょう。
【重要】違法にならないために知っておきたい法的ポイント
フリーランスへの採用代行依頼を検討する上で、法律に関する正しい理解は不可欠です。知らずに違法行為とならないよう、特に重要な2つのポイントを解説します。
参考:厚生労働省「職業安定法」
ポイント1:人材紹介にあたる業務は許可なく依頼できない
職業安定法で定められている「職業紹介」とは、「求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすること」を指します。この行為は、厚生労働大臣の許可を得た事業者しか行えません。フリーランスがこの許可なく、特定の候補者を企業に紹介して報酬を得ることは違法です。あくまで企業側の業務を代行する「採用コンサルタント」や「業務委託」の範囲に留める必要があります。
ポイント2:偽装請負にならないように契約と業務管理に注意する
偽装請負とは、契約形式上は業務委託契約でありながら、実態が労働者派遣である状態を指します。これを避けるためには、企業がフリーランスに対して指揮命令を行わないことが重要です。具体的には、「出退勤時間を管理しない」「業務の進め方を細かく指示しない」「他の業務を依頼しない」といった点に注意し、あくまで契約で定めた業務の完成を目的とすることが求められます。
| 項目 | 業務委託(適法) | 偽装請負(違法) |
| 指揮命令関係 | ない | ある(業務の進め方を細かく指示する) |
| 労働時間の拘束 | ない(納期や成果物で管理) | ある(始業・終業時刻を管理する) |
| 代替性 | ある(本人が別の人に再委託可能) | ない(本人以外の業務遂行を認めない) |
| 報酬の性質 | 業務の成果物に対する対価 | 労働時間に対して支払われる対価 |
フリーランス採用代行の費用相場と料金体系
フリーランスに依頼する場合の費用は、その人のスキルや経験、依頼する業務内容によって大きく変動します。主な料金体系は以下の3つです。
時間単価型の料金体系
「時給制」とも呼ばれ、稼働した時間に応じて報酬を支払う形式です。相場は時給3,000円〜10,000円程度で、コンサルティングなど専門性が高い業務ほど高額になります。短期間や特定の業務だけを依頼したい場合に適しています。
月額固定型の料金体系
毎月一定の業務量を依頼する場合に用いられる形式で、「リテイナー契約」とも呼ばれます。
月の稼働時間や業務内容をあらかじめ決めて契約します。相場は月額20万円〜50万円程度で、継続的に採用活動をサポートしてほしい場合に適しています。
成果報酬型の料金体系
採用が決定した場合にのみ報酬が発生する形式です。しかし前述の通り、この形式は職業紹介事業と見なされる可能性が非常に高く、無許可のフリーランスとの契約は違法となるリスクがあるため、原則として避けるべき料金体系です。
優秀なフリーランス採用代行パートナーの探し方
自社に合った優秀なフリーランスを見つけるためには、適切なチャネルを活用することが重要です。
フリーランス専門のマッチングプラットフォームを活用する
近年、特定のスキルを持つフリーランスと企業を繋ぐマッチングプラットフォームが増えています。
人事・採用領域に特化したプラットフォームもあり、登録しているフリーランスの経歴や実績を確認しながら、直接スカウトや交渉が可能です。
フリーランス専門のエージェントに相談する
フリーランス専門のエージェントサービスを利用する方法もあります。
企業の課題や要望をヒアリングした上で、最適なスキルを持つフリーランスを紹介してくれます。手数料は発生しますが、ミスマッチのリスクを減らし、効率的にパートナーを見つけられます。
H3:SNSやリファラル(知人からの紹介)で探す
X(旧Twitter)やLinkedInなどのSNSで、採用に関する情報発信を行っているフリーランスを探す方法もあります。
経営者仲間や知人から、実績のあるフリーランスを紹介してもらうリファラルも、信頼性が高く有効な手段の一つです。
まとめ
採用代行をフリーランスに依頼することは、コストを抑えつつ専門家の力を借りられる、非常に有効な採用手法です。
特に、リソースが限られるスタートアップや中小企業にとっては、事業成長の大きな後押しとなる可能性があります。
ただし、その一方で「職業紹介事業法」や「偽装請負」といった法的なリスクも存在します。メリットだけに目を向けるのではなく、これらの注意点を正しく理解し、契約内容や業務の進め方を慎重に検討することが不可欠です。本記事で解説したポイントを参考に、貴社にとって最適な採用パートナーを見つけてください。
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。











