【企業人事向け】26卒以降のインターンシップはどうなる?種類やプログラム作成のポイント、事例を徹底解説!


【企業人事向け】26卒以降のインターンシップはどうなる?種類やプログラム作成のポイント、事例を徹底解説!

就活が年々早期化し、25卒採用以降は三省合意によりインターンシップの定義も変化しました。これからはインターンシップの重要性がより高まると感じている採用担当の方も多いのではないでしょうか。しかしながら

「学生が興味を持ってくれるインターンプログラムが分からない…」

「プログラムをどのように作成すればいいか分からない…」

「時期や期間など種類が多く、どれを実施すればよいかわからない…」

など、インターンシップの企画段階で躓いてしまう方が多くいらっしゃいます。

本記事では、今後ますます重要視されるインターンシップについて、種類や近年の動向・インターンシッププログラムの作成方法・プログラム例などを徹底解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

インターンシップとは?

インターンシップとは学生が自身の適性を理解したり、業界や仕事の内容を理解するために就業体験をする制度を指します。

近年では長期の就業体験だけでなく、講義や研修、グループワークなどもプログラムとして実施されることがあります。

学生にとっては業務が具体的にイメージできるほか、社内の雰囲気を直に感じることができます。また、企業にとっても早期から学生との接点を持てる点がメリットです。

選考につなげるための母集団形成として有効な施策です。

インターンシップの種類とは?

25卒採用以降は三省合意によりインターンシップの定義が変化し、4種類に分けられました。

タイプ1:オープン・カンパニー

タイプ2:キャリア教育

タイプ3 :汎用型能力・専門活用型インターンシップ

タイプ4: 高度専門型インターンシップ

それぞれ解説していきます。

タイプ①:オープンカンパニー

大学一年生から対象となる、「個社や業界に関する情報提供・PR」を目的とした主に短期間で開催されるキャリア形成支援プログラムです。

内容に制限がなく、会社説明会や業界理解セミナー、ワークショップ型のもの、座談会、オフィス見学など柔軟にコンテンツを作成することができます。

学生にとっては業界や会社に関する広範で基礎的な知識を得られるため、有意義な学びの場となります。また企業にとっては学生との早期接点の機会となり、認知獲得・興味喚起の貴重な機会となります。

タイプ②:キャリア教育

キャリア教育とは、産学が連携をして学生の意識を醸成していくプログラムを指します。働くことへの理解を深めるための教育を目的とし、主に企業がCSR活動の一貫として実施するプログラムや、大学が主導する授業・産学協働プログラムを指します。

オープンカンパニーと同様に学部1年次から参加できることから、早期に自社の事例などを教材としたキャリア教育プログラムを組むことで、印象付けが可能というメリットもあります。

こちらもオープンカンパニーと同様、大学一年生からが対象となります。

タイプ③:汎用的能力・専門活用型インターンシップ

期間は最低5日間以上(専門活用型の場合は2週間以上)で、大学3年生の夏休みからが対象となります。従来の「インターンシップ」に似ています。

プログラム必須条件として、

・学生の参加期間の半分以上を職場での就業体験とする(テレワーク可)

・「必ずフィードバックを行う」

などに注意する必要があります。

企業側はプログラムコンテンツ作成・運用中の体制など十分な準備とリソースの確保が必要になります。

タイプ①②と最も異なる点は、「インターンシップで取得した学生の個人情報を、一定の条件を満たせば採用活動に使える」という点です。選考直結型インターンと呼ばれることもあります。

タイプ④:高度専門型インターンシップ

高度な専門性のある学生を対象とした長期インターンシップです。就業体験を通して、学生にとっては実践力の向上、企業にとっては学生の評価材料の獲得が狙えます。

修士以上の学生を対象とした2カ月以上の長期インターンシップを中心に、より高度な専門性のあるポストを求める学生、人材を求める企業向けに条件や内容が検討されています。

こちらも、一定の条件を満たせばインターンシップで取得した学生の個人情報を採用活動に使えるようになります。

参考:内閣官房:「就職・採⽤活動⽇程ルールの⾒直しの概要

インターンシップの近年の動向は?26卒はどうなる?

ここからは、600社以上の採用代行実績を持つアールナインが蓄積してきたノウハウや、各企業様の直近の採用状況を元に、26卒インターンシップの動向を予測していきます。

引き続き売り手市場

新卒採用において、ここ数年は学生優位の「売り手市場」が続いています。

リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)」によると、2024年3月卒業予定の大学生・大学院生の求人倍率は1.71倍になっており、2023年卒の1.58倍を上回る結果になりました。

また、全体の求人総数は前年の「70.7万人」から「77.3万人」と、約6.6万人(9.3%)増加しています。

参考:ワークス大卒求人倍率調査(2024年卒)

新型コロナウイルスに関連する規制が緩和され、経済活動が活性化するに伴い、企業の採用意欲も高まっています。これらから、26卒採用においても引き続き売り手市場が続くと予想されます。

さらに早期化・長期化の傾向

今まさに激化している選考の早期化・長期化ですが、こちらは今後も続くと予想されます。

25卒以降インターンシップを一定の条件下で採用に直結することがOKとなり、インターンの重要性がさらに高まりました。全学年が対象となったオープンカンパニーを入り口に、より早期に学生と接点を持ち、興味喚起しておくことが母集団形成において非常に重要となってきているのです。

またこれに伴い、非常に多くの企業で「他社よりも先に学生を獲得しなければ」という意識が高まっており、ますます競争が激しくなっています。特に知名度で大手に劣る中小企業やベンチャー企業は、いかに早くから囲い込み大手に目を向けさせないかが重要になってきます。

このことから、学生との貴重な早期接点となるインターンシップに力を入れる企業はますます増加してくるでしょう。

学生のインターン参加目的とは?

株式会社マイナビの「2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)」によると、複数回答で当てはまるものすべてを選択してもらった場合は「就職活動に向けた準備の場」が最多で66.2%、次いで、「適職を知るための機会(63.4%)」となりました。また、最も重要だと思うものを単一回答で選択してもらった場合は、「適職を知るための機会」が最多で24.0%となりました。

このことから、学生は就活の一歩目として自分の軸を探しながらインターンシップに参加していることが分かります。

オープンカンパニーやインターンシップを企画する場合、学生目線でどのような位置づけなのかを確認しておく必要があります。

参考:2025年卒大学生インターンシップ・就職活動準備実態調査(12月)

インターンシッププログラムの作成方法

ここからはインターンシッププログラムの具体的な作成手順を解説していきます。作成して終わりではなく、学生に次のステップに進んでもらえるような設計にすることも忘れてはいけません。

①目的を定める

インターンシップの目的は

・多数の学生に会社自体を知ってもらいたい

・自社の魅力をアピールしたい

・自社の業務を理解してもらいたい

・優秀な学生を囲い込みたい

など、様々です。その年度の採用戦略から「インターンシップを採用プロセスのどこに位置づけるか」「どんな機能を持たせたいか」を考え、目的を一つ定めましょう。

よくある間違いとして、様々な目的を一つのインターンシップに組み込んでしまうことです。限られた時間で網羅しようとすると、広く浅い中途半端なインターンになってしまいます。

明確な目的を一つに絞り、そこからプログラムを考えていきましょう。

②ターゲットを明確にする

どのような学生に集まってほしいのかを明確にします。

例:就活を始めたてで、自己分析も完了していないフェーズの学生

例:軸はありつつも企業を探し中の学生

例:複数の業界・企業に優先順位をつけており、具体的な業務を理解したい学生(建築機械の開発に興味がある理系学生など)

①と似ていますが、「より多くの学生に来てもらおう!」「より多くの学生に満足してもらおう!」とターゲットを幅広くしてしまうと、「知っていることばかり話されて、知りたいことがあまり聞けなかった」という方や、反対に「業界のことをあまり知らないまま具体的なワークをやらされ、よく分からなかった」などが発生してしまい、結果として満足度が下がってしまうことが多々あります。

③ターゲットに刺さる自社の魅力を整理する

次に、明確にしたターゲットの学生に対して、自社のどんな点が魅力に感じてもらえるかを考えましょう。

・理念、ビジョン

・事業内容

・やりがい

・働きやすさ

・社風、社員の人柄

・待遇(給与、福利厚生など)

これらを整理し、自社ならではの強い魅力を明確にすることで、それを伝えられるようなインターンの形式・内容を考えることができます。

④インターンの形式・内容を決める

①~③の内容を基に、形式・プログラム・期間・時期を固めます。

例えば、

①目的:多数の学生に会社自体を知ってもらいたい

②ターゲット:就活を始めたてで、自己分析も完了していないフェーズの大学3年生の学生

③自社の魅力:社員の人柄・オフィス環境

上記の場合、母集団を集めるため参加ハードルの低い1dayインターン(オープンカンパニー)の形式で、夏に実施するのが良いでしょう。

自己理解ワークショップなどのプログラムであれば、学生視点では自己分析を進められるというメリットがあるため、会社の知名度が低くともスカウトなどで母集団を集められる可能性が高いです。

また、ワークショップのあとにオフィスツアーを併せて実施すると社員の人柄・オフィス環境という魅力を伝えられ、企業に対する興味を喚起し、次のフェーズである企業理解・業務理解のフェーズへの移行を狙えます。

このように、目的・ターゲット・自社の魅力の三つの観点からプログラムを考えていくことが良いでしょう。

⑤ターゲット層に適した手段・サービスで集客をする

プログラム内容が決まれば、次は集客です。

選択肢として以下のような方法があります。

・リクナビ、マイナビ、wantedlyなどの求人媒体

・自社HP

・SNS

・ダイレクトリクルーティング

求人媒体は数十万人の登録者にリーチできるというメリットがあります。一方で、大手サイトの掲載料金は約30万〜80万円と高額です。また、掲載社数が多く他社情報に埋もれてしまう恐れがあります。

すぐに大勢を集めるのは難しいですが、採用コストを抑えたい場合は自社HPやSNSを活用する手もあります。

ダイレクトリクルーティングは自社にマッチした学生を探し、スカウトを送ってインターンに招待する方法です。その他の「待ちの採用手法」ではなく、企業側からアプローチする「攻めの採用手法」として近年注目されています。

採用担当者が学生のプロフィールを見たうえでスカウトするため、質が高く無駄のない母集団形成が可能です。企業側からアプローチするため、認知度にも左右されづらいです。

スカウトされたことで応募のハードルが下がるため、「せっかくの機会だから参加してみよう」と、現時点ではそこまで志望度が高くない学生・就活を始めたての学生も取り込めるでしょう。

一方で、送信する学生の選定・オファー文面の作成・送信の実施など、工数がかかってしまうのがダイレクトリクルーティングのデメリットと言えます。状況に併せて集客手段を使い分けることが重要です。

スカウトメールの承認率を上げる方法についてはこちらの記事で解説しています。
【例文付き】新卒採用スカウトメールの承認率を爆上げするノウハウを公開します

⑥インターンシップ後~選考までの導線を設計する

インターンシップに参加してもらい、満足して帰ってもらう…それだけではNGです。

インターンから選考への導線を設計し、次のステップへ進んでもらう必要があります。

ポイントは以下の3点です。

ポイント①:学生のフェーズによってプロセスを分ける

上記でもお伝えしたように、インターンに参加する様々なフェーズの学生がいます。

例えば、自己分析すら終わっていない学生に対して業務理解を促進させようとしても効果は薄いです。反対に、業務理解まで進んでいる学生に改めて会社説明をしても「しつこい」「もう知っている」と意欲が下がってしまいます。

各学生のフェーズに併せて適切なタイミングで情報を提供するため、

①自己理解②業界理解③会社理解④業務理解の4ステップを意識して、下記の例のように選考プロセスを設計しましょう。

また、学生によっては業界の情報収集のためだけにインターンシップに参加することも多く、なかなか次の選考に進んでもらえない、という採用担当の声も多く聞きます。

その企業ならではの魅力を整理し、各フェーズの学生に適切に伝えていくことで意欲醸成を狙いましょう。

ポイント②:当日、次の接点(面談・選考)の予約をその場で取らせる

非常に小さなテクニックですが、必ず実施しましょう。

学生にとってインターン参加時が最も企業に対する温度感が高く、日を追うごとに疎遠になることがほとんどです。優秀な学生ほど日々多くの企業からスカウトなどでアプローチされているためです。

当日中に次のステップの説明・予約をして、移行率を高めましょう。

ポイント③:インターンシップに参加したことによる特別感の演出

「インターンシップに参加してくれたあなただからこそ」という特別感を提供できると、選考に進む意欲醸成に繋がります。例えば、以下のようなことです。

・別ルートで早期選考を受けることができる

・選考プロセスを一つスキップできる

また他にも小さいことですが、次の学生との接点で、インターンに参加してくれたことに対し一言触れることも効果的です。「自分のことを覚えていてくれた」「会社からしっかりと認知されている」と思ってもらうことで意欲を高めることができます。

【業界別】インターンシップのプログラム例

ここからは様々な業界の具体的なインターンシップ事例についてご紹介します。是非参考にしてみてください。

事例①建設業界

・業界:建設業界

・企業規模:500~1000名

・目的:就活を始めたての学生に対し早期接点を持ち、母集団を形成する

・形式(時期・日程):夏・1日

・プログラム内容:カードゲームを用いた自己理解ワークショップ+会社説明

事例②食品業界

・業界:食品

・企業規模:2000~3000名

・目的:業務理解・社員との交流

・形式(時期・日程):冬・2〜3日間

・プログラム内容:新サービス作成グループワーク(社員のファシリつき)

事例③半導体業界

・業界:半導体業界

・企業規模:100~500名

・目的:理系学生に向けた業務理解

・形式(時期・日程):秋・1日

・プログラム内容:業務体験ロールプレイング

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まとめ

ここまでインターンシップに関する解説をしてきました。いかがでしたか?

選考の早期化が進む中、序盤の接点となるインターンシップの重要性はますます高まっていきます。

多くの企業が力を入れる箇所だからこそ、プログラムの奇抜性ではなく、「他社に負けない、自社ならではの魅力」をきちんと整理し、前後の導線を設計することが重要です。

株式会社アールナインでは、インターンシップ設計のための現場ヒアリングから当日の運用まで一気通貫でご支援することが可能です。

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この記事の監修者:長井 亮

1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。