採用単価とは?平均相場・計算方法・改善策まで徹底解説
公開日: 2026年03月17日
採用活動にかかる費用が年々増加する中、「自社の採用単価は適正なのか」と疑問を持つ企業が増えています。採用単価は、1人を採用するために投じたコストを示す重要な経営指標です。総額だけを見ていては、採用効率の実態は把握できません。
新卒・中途ともに採用市場は競争が激化しており、媒体費や紹介手数料の上昇、要件の高度化によって単価は変動しやすい状況にあります。数値を正しく理解し、相場と比較しながら改善策を講じることが求められています。
本記事では、採用単価の基本的な考え方から最新の平均相場、単価が高騰する要因、そして具体的な削減・最適化の方法までを整理します。自社の採用コストを見直す際の判断材料として活用してください。
採用単価とは?採用コストの違い
採用活動にかかる費用を管理するうえで、「採用単価」と「採用コスト」は重要な指標です。似た言葉として使われることもありますが、指している範囲と役割が異なります。
採用単価
採用単価とは、1名を採用するためにかかった費用を算出した数値です。
一般的な計算式は以下のとおりです。
・採用単価 = 採用にかかった総費用 ÷ 採用人数
たとえば、年間で600万円の採用費を投じ、10名を採用した場合、採用単価は60万円となります。
この指標の目的は、採用効率の把握にあります。
同じ予算でより多くの人材を採用できれば、単価は下がります。反対に、採用人数が少なければ単価は上昇します。
採用コスト
採用コストは、採用活動全体にかかった費用の総額を指します。内容は大きく「外部コスト」と「内部コスト」に分かれます。
外部コストの例:
- 求人広告費
- 人材紹介会社への成功報酬
- 採用媒体の掲載費
- 採用イベント出展費
- 採用管理システムの利用料
内部コストの例
- 採用担当者の人件費
- 面接官の対応時間
- 書類選考や日程調整にかかる工数
- 内定者フォローにかかる人件費
多くの企業では、外部コストのみを把握しているケースが見られます。しかし、内部コストを含めて算出しなければ、実態に即した費用管理にはなりません。
採用単価は、この総コストを人数で割った結果です。したがって、まず採用コストを正しく算出することが前提となります。
採用単価の平均相場
採用単価の平均相場について、データをもとに解説していきます。
新卒採用における採用単価の平均相場
株式会社マイナビが実施した調査「2024年卒 企業新卒内定状況調査」によると、2024年の新卒採用における1人あたりの採用単価の平均値は56.8万円でした。
同調査では企業属性別の数値も公表されており、上場企業における新卒採用単価の平均値は49.0万円、非上場企業では57.5万円という結果でした。
中途採用における採用単価の平均相場
株式会社マイナビが公表した資料「中途採用状況調査2025年版(2024年実績)」によると、2024年の中途採用費用の平均値は650.6万円、中途採用人数の平均値は20.8人でした。
上記の費用と人数の平均値を、採用単価の計算式に当てはめると、「650.6万円 ÷ 20.8人 = 約31.3万円」であるため、2024年実績の採用単価の平均値は約31.3万円となります。
採用単価が高騰する原因とは?
採用単価が上昇する背景には、単純な市場価格の上昇だけでなく、企業側の設計や運用体制の問題が影響しているケースも少なくありません。
採用単価を適正化するためには、まず上昇要因を整理し、自社のどこに課題があるのかを明確にする必要があります。ここでは、代表的な4つの要因を解説します。
求める人材のハードルが高い
採用要件が高すぎる場合、採用単価は上昇しやすくなります。
即戦力・高スキル・マネジメント経験・特定業界経験など、多くの条件を設定すると、対象母集団は自然と限定されます。候補者数が少ない領域では、広告費や紹介手数料が高騰しやすくなります。
さらに、条件に合致する人材ほど市場価値が高く、競合企業との獲得競争も激しくなります。その結果、高額な紹介手数料の支払いや、スカウト媒体の利用増加、採用期間の長期化といった状況が発生し、結果的に1人あたりの採用コストが押し上げられます。
採用手法・媒体の増加
成果を出すことを優先し、多数の媒体やサービスを同時に活用している企業もあります。
求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、イベント出展などを並行して実施すると、費用は積み上がります。
効果測定と改善ができていない
採用活動における数値管理が不十分な場合、単価は適正化しにくくなります。
応募単価、面接単価、内定単価などの指標を分解して把握していないと、どの工程に課題があるのか特定できません。
たとえば、応募数は多いものの面接通過率が低い場合、母集団の質や要件設定に問題がある可能性があります。工程ごとの数値を分析しなければ、改善策は曖昧になります。
採用単価の管理には、チャネル別・工程別のデータを継続的に把握し、改善サイクルを回す体制が求められます。
ミスマッチによる再採用コスト
入社後の早期離職は、採用単価を押し上げる大きな要因です。
短期間で退職が発生すると、再募集や再選考に伴う費用が発生します。加えて、教育やオンボーディングにかかった人件費も回収できません。
採用単価を算出する際、単年度の採用人数のみで判断していると、実質的なコスト増加を見落とす可能性があります。定着率を含めて評価する視点が必要です。
ミスマッチを防ぐには、採用要件の明確化、選考基準の統一、仕事内容や期待値の具体的な提示が重要です。採用活動と定着施策を一体で設計することで、長期的な単価最適化につながります。
採用単価を削減する方法
採用単価を抑えるには、費用の使い方を見直し、採用効率を高めることが重要です。ここでは、実務で取り組みやすい7つの方法を整理します。
今かかっているコストを可視化する
まず、採用に関わる費用をすべて洗い出します。
求人広告費や紹介手数料といった外部コストに加え、面接対応時間や採用担当者の人件費などの内部コストも含めて把握する必要があります。
総額だけでなく、チャネル別コスト、応募単価、内定単価まで分解すると、無駄の発生箇所が明確になります。
ダイレクトリクルーティングを活用する
企業側から候補者に直接アプローチする手法は、媒体依存を減らす有効な選択肢です。成功報酬型の人材紹介サービスに比べ、コストをコントロールしやすい点が特徴です。
ターゲットを明確に設定し、継続的にスカウト活動を行うことで、採用効率の向上が期待できます。運用体制を整え、返信率や面談化率を定期的に分析することが重要です。
リファラル採用を導入する
社員紹介制度は、企業理解が進んだ候補者と接点を持てる手法です。紹介経由の応募は選考通過率や定着率が高まる傾向があります。
制度設計では、紹介の基準や社内周知の方法を明確にします。運用状況を定期的に確認し、改善を重ねることで安定した成果が期待できます。
採用要件を明確化しミスマッチを防ぐ
採用後に定着しなかった場合、再度採用活動を行うことになり、実質的な採用単価に影響します。要件が曖昧な状態では、選考の判断基準も揺らぎます。
必須条件と評価基準を整理し、面接官間で共有することで、選考の精度が高まります。仕事内容や期待役割を具体的に伝えることも、入社後のギャップ軽減につながります。
まとめ
採用単価は、採用活動の効率を示す重要な経営指標です。
最新データからも分かるとおり、新卒・中途ともに一定のコストがかかる時代に入っています。市場環境の変化に加え、採用要件の高度化や手法の多様化によって、単価は変動しやすい状況にあります。
採用単価の改善には、コストの可視化、チャネル選定の最適化、要件定義の精緻化、定着を見据えた設計など、複数の取り組みを横断的に進める必要があります。単発の施策ではなく、全体設計と運用体制の見直しが求められます。
自社の採用単価が適正かどうか判断できない、数値は把握しているものの改善につながっていない、といった課題を抱えている場合には、ぜひアールナインにご相談ください。創業から15年以上、業界・規模を問わず800社以上の採用をご支援してきた実績をもとに、貴社に最適な解決策をご提案いたします。
この記事の監修者:
1999年青山学院大学経済学部卒業。株式会社リクルートエイブリック(現リクルート)に入社。 連続MVP受賞などトップセールスとして活躍後、2009年に人材採用支援会社、株式会社アールナインを設立。 これまでに2,000社を超える経営者・採用担当者の相談や、5,000人を超える就職・転職の相談実績を持つ。